皇位継承に伴う「春の10連休」まであと約1月半となった。楽しみにしている人が多い一方で、混乱を懸念する声も高まっている。

 サービス業や流通業など仕事を休めない人は相当数に上るのではないか。保育施設や医療機関が長期休業となれば影響も大きい。

 政府は、国民生活に支障が生じないための対処方針を先ごろ、まとめた。だが、自治体や事業者への「丸投げ」も目立ち、これで十分なのか、不安はぬぐえない。

 祝賀ムードの陰で国民が困惑することのない対策を求めたい。

 10連休は昨年12月成立の特別法で決まった。新天皇が即位される5月1日を今年限りの祝日として扱い、4月27日~5月6日が休みだ。前例のない長さとなる。

 対処方針では、通常の休日より子どもの一時預かりのニーズが増えると想定し、10連休に限って国が保育施設への補助を加算する制度を創設する。

 ただ受け入れを拡大しようにも保育士や施設が確保できるのか不透明だ。地域の実情を把握し、臨機応変に対応する工夫が欠かせない。政府は自治体と連携し、現場を支えなくてはならない。

 医療機関が長期休業すれば中核病院などの救急外来に患者が押し寄せることが予想される。政府方針は「必要な体制が取られていることを周知する」としており、救急対応や外来患者の受け入れ予定など医療提供体制を整えることが肝要だ。自治体は医師会との情報共有、協力を密にしてほしい。

 金融機関では窓口業務が連休前後に集中しかねず、政府は人員確保を各機関に求めた。特に懸念されるのは株式市場への影響だ。連休中も米連邦公開市場委員会の結果公表など海外で重要日程がある。連休明けに相場が急変する恐れもあり、備えは必要だろう。

 一方、時給や日給で働く人は勤務日が減れば減収となる。政府は対処方針で雇用者に適切な配慮を要請しているとはいえ実効性は見通せない。目配りが不可欠だ。

 このほか、学校の授業時間数の確保や、ごみ収集、交通機関の混雑など課題は山積する。電気、水道といったライフラインのトラブルに備えた態勢も求められる。

 10連休に関する特別法を審議した衆参両院の内閣委員会は「国民生活に支障がないよう万全を期すべきだ」との付帯決議を採択している。政府は重く受け止めるべきだ。対策をさらに官民で練り上げ、誰もが安心して過ごせる環境づくりを整える責任がある。