きょうは「こどもの日」。

 遊びに行きたい気持ちを抑え、大型連休を自宅で過ごす子どもたちも多いだろう。新型コロナウイルスの流行が、まだ発達段階にある心身にさまざまな影響を及ぼしている可能性が指摘されている。

 病気への不安から、体調を崩したり、感染者に偏見を持ったりする児童生徒もいるようだ。社会全体で子どもを見守る姿勢が求められる。

 国立成育医療研究センターによる昨年11~12月のインターネット調査によると、小学生4年以上の15%、中学生の24%、高校生の30%にそれぞれ中等度以上のうつ症状が確認された。

 特に気がかりなのは、小学4年以上の6%が、ほとんど毎日、自殺や自傷行為について考えたと回答したことだ。

 コロナ感染拡大による休校措置や生活の変化との関連が考えられており、さらに詳しい調査研究が待たれる。

 子どもは大人に比べて声を上げにくく、感情をうまく表現できない場合が多い。悩みや不安を打ち明けやすい環境をつくり、不調のサインにいち早く気付いてあげることが重要だ。家庭や学校が連携し、行政や専門家の支援も得るようにしたい。

 コロナに関する正確な情報を伝える努力も欠かせない。

 「自分や家族がコロナに感染したら秘密にしたい」かと尋ねた質問では、小中高生の63%が「当てはまる」と答えた。感染者に対し「なるようなことをしたから」と自業自得のように思うとした回答も56%に上った。

 感染に負の感情を抱いたり、偏見を持ったりする背景には、間違った情報や不用意な大人の言動の影響があるとされる。誰もに感染リスクがあることを丁寧に説明していく必要がある。

 子どもが自宅で過ごす時間が増える中、教育現場では新たな見守りの在り方を模索する動きもある。その一つが、全国の小中学校で導入が進むタブレット端末の活用だ。

 端末に組み込まれたオンライン学習システムのメッセージ機能で、子どもが教員に心配事を伝えて相談することが可能という。東京の一部地域では、公立校の児童生徒が利用できる体制づくりに乗り出している。

 感染防止で制約を受ける「子ども食堂」など民間の活動も、自宅訪問を取り入れるなど工夫を凝らしている。こうした取り組みを広げたい。

 国連児童基金(ユニセフ)は3月、コロナ禍により、世界で1億6800万人以上の子どもが1年近く学校に通えていないと発表した。昨年11月時点で、子どもの心理的健康を支えるサービスの3分の2以上も中断しており、特に発展地上国は深刻な状況だという。

 フォア事務局長は「孤立し虐待される子どもが増えているのに、教育や福祉サービスは受けにくくなっている。今後何年もパンデミックの傷を負う兆候は明らかだ」と訴える。

 国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)は、子どもを「守るべき脆弱(ぜいじゃく)な人々」と「重要な変化の担い手」に位置付けている。世界各国が手を携え、次の世代を守り育んでいかねばならない。