近江八幡市のふるさと納税サイトで紹介される近江牛の返礼品

近江八幡市のふるさと納税サイトで紹介される近江牛の返礼品

 ふるさと納税の返礼品として滋賀県が近江牛(精肉)の取り扱いを県内全市町に認めたことに対し、主要産地の近江八幡市が地方自治法に基づく不服審査を国に申し立てたことが6日分かった。同市は「肉の品質管理が徹底されず、ブランド価値が低下しかねない」としている。

 不服審査は、都道府県の関与について不服のある市町村からの申し出を受け、総務相が任命する自治紛争処理委員が行う。

 県は4月、近江牛をふるさと納税制度の「地域資源」に認定し、肥育・加工地でない県内市町も返礼品として扱えるようにした。これに対し、肥育頭数が県全体の3割を占める近江八幡市は「短期的には消費が伸びても、近江牛を扱ったことのない事業者が入ると将来的な品質が担保できない」と主張。2019年10月から県と対話を重ねていたが「合意に至っていないにもかかわらず地域資源に認定した」と、不服を申し出た理由を説明している。

 同市はふるさと納税寄付額が県内トップの23億6700万円で、市によると、寄付者の約7割が近江牛を返礼品に選ぶという。

 一方、県は国の指針に基づき市町の「意見を集約」してきたとし、「認定後も経過期間を設け、近江八幡市とは(品質を担保する)ルールの改善を相談できると思っていたので審査申し出は残念だ」(市町振興課)としている。

 ふるさと納税の返礼品については、19年の改正地方税法により原則として当該自治体内での生産、加工した地場産品に限定された。ただ、全国的に知られる産品を都道府県が地域資源に認定すれば、生産加工地でない市町村でも返礼品として提供することができる。

 総務省によると、自治紛争処理委員制度で都道府県に対する市町村からの審査の申し出は3件目で、2010、11年(各1件)以来という。