競りに掛けられる朝掘りタケノコ(4月9日、京都市中央卸売市場)=京都青果合同提供

競りに掛けられる朝掘りタケノコ(4月9日、京都市中央卸売市場)=京都青果合同提供

 京都の春の味覚「朝掘りタケノコ」の競りが京都市中央卸売市場(下京区)で記録的な高値で取引された。初競りでは最高額が前年の約2倍に高騰し、1ケース1万円超も続出した。タケノコを仕入れる飲食店の多くは新型コロナウイルスの感染拡大で時短営業や客足低迷に苦戦しているはずだが、なぜそんなに高値になったのだろうか―。

 京都市西京区と乙訓地域のタケノコは品質が高く、高級料亭の食材や贈答品向けに重宝される。収穫から時間がたつと劣化が進むため、同市場では両地域のタケノコに限り、朝に収穫したものを当日中に競りに掛ける。

 今年は4月9日に初競りがあり、1ケース4キロ入りの最高額は3万7千円と前年を1万9千円も上回った。青果卸の京都青果合同(下京区)は「この30年で記憶にない高値」と驚きを隠さない。1ケース1万円以上の値が付いた取引も目立ったという。

 理由の一つが、暖冬だ。タケノコ全体の生育が進み、同市場の今季の入荷量ピークは4月1日と平年より約2週間早まった。このため、朝掘りの競りの開始時には入荷量が減少傾向に。収量が少ない「裏年」に当たったこともあり、朝掘りタケノコの入荷量は1日当たり最大1056キロ(4月10日)と、昨年や2年前より600キロ以上少なかった。

 コロナ禍は逆風に見えたが、同市場によると、高級料亭の注文は前年よりも増えたという。外出自粛に伴って贈答品やテークアウト向け食材需要が伸びたためで、価格が上昇したとみられる。

 気候と需給の変動に翻弄(ほんろう)された同市場は、例年なら5月の大型連休明けまで続く朝掘りタケノコの競りが、10日ほど早い4月末に終了した。同社の担当者は「今シーズンの収量は想定をはるかに下回った上、コロナによって需要も見通せず、価格を安定させるのが非常に難しかった」と振り返る。

 前日夜までに収穫したタケノコの主な競りは、5月末まで続く見通しという。