滋賀県が開設するLINE相談窓口の画面

滋賀県が開設するLINE相談窓口の画面

 滋賀県は、自殺予防を目的に学校や友人関係、子育てや仕事など幅広い悩みについて、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で心理ケアの専門職が相談に応じる窓口「こころのサポートしが」を10日に開設する。新型コロナウイルス禍を背景にした自殺者の増加が全国的に指摘される中、県内でも同様の傾向が懸念されることから、LINEの活用で特に若年層の早期支援につなげたいとしている。

 県は昨年7月の2週間、未成年と保護者を対象にしたLINEでの悩み相談を試行。電話に比べ約2倍の件数が寄せられたことから、若年層に適した手法として着目した。

 厚生労働省によると、県内の自殺者数は2019年に19歳以下が6人(男2人、女4人)、20代が22人(男18人、女4人)だったが、コロナ禍の20年は19歳以下が10人(7人、3人)、20代が27人(17人、10人)と増加した。他の世代は減少か微増にとどまった。

 県障害福祉課は「要因分析はしっかりとできてはいないが、コロナによる長期休校などが影響しているのではないか」とする。自殺動機が判然としないケースが目立つといい、「周囲へ相談できていない実情が浮かぶ」という。

 新たな相談窓口は、児童虐待などに関する東京都のLINE相談事業の運営実績をもつ業者に委託。県内に居住・通勤通学する人を対象に、臨床心理士や精神保健福祉士などの有資格者が受け手となり、来年3月末まで毎日午後4~9時に「トーク機能」を用いて文章をやりとりする。

 県は、相談者2人と業務責任者1人を常時置くことで、悩みの内容への対応を協議しながら応答できるとし、自殺企図が懸念される場合など緊急時には県警と連携して対応に当たる。また、文章の履歴が残るため受け手が変わっても継続した相談が可能だという。

 LINEを巡っては、利用者の個人情報が中国企業から閲覧できる状態だったことが3月に明らかになったが、県は「LINE社側から説明を受け、相談窓口の運営に問題ないと確認した」(障害福祉課)という。