<京の知恵 しあわせの食 小宮理実>

 こんにちは。料理研究家の小宮理実です。7月ももうすぐ終わり。例年に比べるとうまくいかないこともありますが、こんなときほど前を向き、気持ちに余裕を持って過ごしたいものです。そんなとき、心に潤いを与えるものは、やはり「食」です。夏にふさわしい、目にも舌にも元気な食を6品ご紹介したいと思います。

 「豚ロースの新ショウガ焼き」は、歯ごたえもある厚み1センチのロース肉を使います。加熱時に出た脂を少し残して、そのまま新ショウガの千切りを炒めます。お肉から出た脂は味もあるので、活用しない手はないのです。仕上げにはバターを落として。新感覚のショウガ焼きです。

 シンプルな「カニかま天津飯」は、カニかまと卵さえあれば、いつでも作ることができます。甘酢あんをたっぷりかけて、とろとろをお楽しみください。

 「海鮮揚げそば」は、私が長崎に旅した際に食べた、お気に入りのお店の味を自分らしく再現したもの。海鮮は冷凍ミックスを使います。揚げめんの上から具だくさんの海鮮あんをかけて。休日のお昼ごはんにぴったり。ここにも「隠し酢」を。少し酢を加えることでお味に輪郭が出て、日常のおかずが洗練されます。酢は特に夏には欠かせません。

 パプリカ特有の甘みを生かした「焼きパプリカのマリネ」。皮の上から油を塗り、魚焼きグリルかトースターで焦げ目ができるくらい焼きます。皮をむくときに水に漬けながらだとうまくできます。マリネ液はオリーブオイルを加えまろやかに。飲み干せるくらい酸味を控えめにしています。

 「ツナとインゲンあえ」はパンにも合うおかず。これまで何度作ったことでしょう。マヨネーズを少し加えれば、パンにはさんでサンドイッチにしても。「トウモロコシごはん」は、うまみも出るので芯も一緒に炊いています。もち米を使うことで、冷めてもおいしく。残ったら、夏のおにぎりにいかがでしょう。バターとしょうゆを落としていただくと、さらに食がすすみます。口角をあげて、笑顔の8月を迎えたいですね。(料理講座「幸せ運ぶフクチドリ」主宰)

【2020年7月26日朝刊掲載】

ホームページ「料理研究家・小宮理実」(https://komiyarimi.com/)


◆小宮理実 こみや・りみ 1971年京都市上京区室町生まれ。おせち料理・行事食研究家。家庭で作る季節の行事食を伝えており、食育活動のほか、商品開発も手掛ける。著書「福を呼ぶ京都 食と暮らし暦」「京のおばんざい四季の味」。