大津地裁

大津地裁

 滋賀県長浜市の漁港で2015年7月、滋賀県立通信制高2年の金澤泰良(たいら)さん=当時(16)=が知り合いの少年に琵琶湖に突き落とされて溺死し、遺族が現場にいた元少年3人と保護者に約9千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が14日、大津地裁であった。西岡繁靖裁判長は、実際に突き落とした1人に加え、刑事事件では不起訴処分となった2人の連帯責任も認め、約7830万円の支払いを命じた。

 西岡裁判長は、争点だった3人の共謀関係について「悪ふざけに興じる目的を全員が共有し、主観的な意思の連絡があった」と認定。落とすことを提案し、実行したのは1人だが、他の2人も「溺れる様子をしばらく笑いながら見ていた」として「黙認の形で了解した」と指摘、連帯責任を負うのが相当と判断した。

 金澤さんが泳げないとは知らなかったという3人の主張については、事件直前の金澤さんの発言から認識していたとして退け、「泳ぎが不得手な被害者の不意を突いて突然に突き落とす暴行は非常に危険な行為」と断じた。保護者の監督責任は認めなかった。

 事件では、いずれも当時18歳の元少年3人が傷害致死容疑で県警に逮捕された。大津地検は「関与が認められない」として2人を不起訴処分、突き落とした1人を大津家裁に送致。家裁は少年院送致とした。

 判決によると、元少年3人は共謀し、15年7月10日午後1時半ごろ、長浜市港町の漁港で、金澤さんの肩付近を手で押して琵琶湖に転落させて溺死させた。その後、実行役の元少年が口裏合わせを提案し、事実を隠蔽しようとした。

 閉廷後、金澤さんの遺影とともに記者会見した母親(47)は「(刑事事件と異なり)3人全員の責任が認められたのは良かった。でも、家族の怒りや憎しみが和らぐことはない。加害者は心から反省し、一生をかけて息子に謝り続けてほしい」と涙ながらに話した。