【資料写真】菅義偉首相

【資料写真】菅義偉首相

 京都府など4都府県の緊急事態宣言の延長が決まった7日夜、菅義偉首相の会見に出席し、質問した。

 質問の要旨は、こうだ。

 東京五輪・パラリンピック中止を求める世論が強まる一方、現在各競技のテスト大会が開かれている。参加するアスリートは、社会からの厳しい風当たりの中でスポーツをしたり、五輪を目指したりすることに悩み、苦しんでいる。アスリートに掛ける言葉はないか-。

 だが、首相は手元のペーパーに目を落とし、テスト大会で実施している、通り一遍の感染対策を話し始めた。そして最後に付け足しのように「安心・安全な大会にするんで懸命に取り組んでほしい」と言った。

 「それだけか」。自席で思わず口をついて出た。権力に対峙することが求められる首相会見で、聞き方、伝え方に問題があったと反省はしている。そもそも首相にこの種のメッセージを期待する方が間違いなのかもしれない。ただもう少し熱を込めて、主役であるはずのアスリートに寄り添う言葉を語ってほしかった。

 首相会見はテレビで生中継され、全てがさらけ出される。言葉や熱量の一つ一つが、人の心を動かす。

 記者たちと首相のやり取りがかみ合わないのは、この時に限った話ではない。「壊れたテープレコーダーですね」。会見場を出たところで、他紙の記者に声を掛けられた。