新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が、京都などで5月末までの延長期間に入った。これに合わせ、京都や兵庫では百貨店など大型商業施設やレジャー施設への休業要請が緩和された。

 感染対策を強化するはずの宣言延長で、かえって人の動きが活発になり、抑制効果が弱まるのではないかとの懸念は拭えない。本当に感染拡大を防げるか、他にどのような手だてで収束を図るのか、明確にする必要がある。

 4都府県を対象にした3度目の緊急事態宣言は、大型連休中の人流抑制を狙ったが、新規感染者や重症者の減少につながらず、政府は2県を加えて延長した。

 一方で、大型商業施設への休業要請方針を転換し、午後8時までの時短営業要請に変更した。スポーツなど大型イベントも無観客から、上限を決めて観客を入れられるようにした。

 ただ、足並みをそろえてきた関西3府県の対応は分かれた。

 大型商業施設について、大阪は厳しい感染状況を踏まえ、生活必需品売り場を除き休業要請を継続する。これに対して京都と兵庫は土・日曜の休業要請は続けるが、平日は午後7時までの時短営業で再開を認めた。大阪から隣接府県への人流は増えないだろうか。

 休業要請の緩和を巡っては、国と自治体の認識のずれもあらわになった。東京で国立の美術館や博物館を再開させようとしたところ、都が「新規陽性者や重症者の数が高い水準にある」として待ったをかけた。

 宣言の延長にあたって、国と都の間で十分な打ち合わせがなかったことを物語る。これでは国民を戸惑わせるばかりだ。

 打ち出す政策の科学的根拠を政府が示していないことも、自治体や事業者を混乱させている。

 百貨店やショッピングセンターの団体はこれまで、休業要請に対して人流抑制に効果があるのか疑問を投げかけていた。政府に納得できる理由と政策意図の説明が不十分だったことは否めない。

 国民には「コロナ疲れ」がみられるが、宣言の延長を月内で終わらせるには、外出や移動を控えることに加え、テレワークや時差出勤を推進するなどの行動変容を求めていく必要がある。

 先月末から昨日まで17日間の緊急事態宣言は「短期集中」で感染を抑制するはずが、効果を出せなかった。感染拡大収束のシナリオをどう描くか、政府の姿勢が一段と厳しく問われている。