中京署に移送される山本淳子容疑者(中央奥)=13日午前4時24分・京都市中京区

中京署に移送される山本淳子容疑者(中央奥)=13日午前4時24分・京都市中京区

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者への嘱託殺人罪で起訴された医師山本直樹容疑者(43)らが、2011年に山本容疑者の父親を殺害したとされる事件で、山本容疑者の母・淳子容疑者(76)が今年3月、京都府警の任意の事情聴取に対して「殺害計画を知っていた」という趣旨の話をしていたことが13日、捜査関係者への取材で分かった。


 府警は11年3月5日に山本靖さん=当時(77)=を殺害したとして、長男の山本容疑者と大久保愉一(よしかず)容疑者(43)の両医師、淳子容疑者の3人を逮捕した。いずれも逮捕後の認否を明らかにしていない。


 捜査関係者によると、府警は今年3月、長野県軽井沢町の淳子容疑者の自宅を殺人容疑で捜索。パソコンから、靖さんの死亡前に具体的な殺害計画をやりとりした複数のメールが見つかった。淳子容疑者は任意聴取に「(メールの内容を)認識していた」と話したという。


 また、靖さんの死亡診断書に無関係の医師名など虚偽とみられる記載があったことも捜査関係者への取材で分かった。府警は事件の発覚を免れようと、容疑者らが診断書を偽造した疑いもあるとみている。


 捜査関係者の説明では、靖さんは11年当時、長野県の病院に入院していたが、東京都の病院に転院するとして同年3月5日に退院した。同じ日に死亡届が役所に出され、都内のアパートで亡くなったと書かれていた。死亡診断書には、心臓などの異常で急死したと記載されていたという。


 診断書には山本、大久保両容疑者の共通の知人である医師の名前が書かれていたが、この医師は京都府警の調べに「知らない」と関与を否定した。所属先とされた診療所は実在していなかったという。


 府警は昨年7月、京都市中京区のALS患者への嘱託殺人容疑で医師2人を逮捕した後、同様の事件がなかったかを捜査。靖さんの死に不審点があるとして、入院先だった長野県の病院の主治医に聞くと、死亡につながるような病状ではなかったとの証言が得られたという。


 府警は13日午前4時25分ごろ、淳子容疑者をワゴン車で中京署に移送した。後部座席の容疑者は紺色のフードをかぶり、表情はうかがえなかった。