京都府警中京署に移送される山本淳子容疑者(中央奥)=13日午前4時24分・京都市中京区

京都府警中京署に移送される山本淳子容疑者(中央奥)=13日午前4時24分・京都市中京区

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者への嘱託殺人罪で起訴された医師2人らが一方の父親を殺害したとされる事件で、容疑者の息子と母親が事件前に交わしたメールの中に、父について「周囲を不幸にする」という趣旨の記述があったことが14日、捜査関係者への取材で分かった。父への恨みをうかがわせる内容もあったという。京都府警は事件との関連について、容疑者から事情を聴く方針。

 殺人容疑で逮捕されたのは、死亡した山本靖さん=当時(77)=の息子で医師の直樹容疑者(43)、妻の淳子容疑者(76)、医師の大久保愉一(よしかず)容疑者(43)。2011年3月5日、共謀して靖さんを東京都内で殺害した疑いがある。

 捜査関係者によると、3容疑者から押収したパソコンなどを調べた結果、殺害計画に関する複数のメールを確認。靖さんが死亡する約1カ月前から、直樹容疑者と大久保容疑者が死亡診断書の作成や火葬をどうするかなどについて、やりとりしていた。メールの一部は淳子容疑者に転送されていたという。

 その中で、直樹容疑者と淳子容疑者の間では靖さんについて「周囲を不幸にする」と記していたという。

 また、靖さんが入院していた長野県の病院側が胃に栄養をチューブで入れる胃ろうの造設手術を提案し、直樹容疑者が「なぜ長生きさせようとするのか」と言って断っていたことも、捜査関係者への取材で分かった。靖さんが亡くなる少し前の時期で、病院側は栄養状態を改善させようとしていたという。

 靖さんは精神科の病院に入退院を繰り返していたが、死亡につながる重篤な病状ではなかったとみられる。直樹容疑者らが「転院先が見つかった」と病院に申し出たため、靖さんは11年3月5日に退院。その日のうちに都内の区役所に死亡届が淳子容疑者の名前で出されたという。