信楽高原鉄道の列車が脇を走る事故現場近くの慰霊碑前で営まれた追悼法要(14日午前10時38分、甲賀市信楽町黄瀬)

信楽高原鉄道の列車が脇を走る事故現場近くの慰霊碑前で営まれた追悼法要(14日午前10時38分、甲賀市信楽町黄瀬)

事故現場近くの慰霊碑前で行われた追悼法要で手を合わせる関係者ら(14日午前10時47分、滋賀県甲賀市信楽町)

事故現場近くの慰霊碑前で行われた追悼法要で手を合わせる関係者ら(14日午前10時47分、滋賀県甲賀市信楽町)

事故現場近くを走る信楽高原鉄道の車両(14日午前8時54分、滋賀県甲賀市信楽町黄瀬)

事故現場近くを走る信楽高原鉄道の車両(14日午前8時54分、滋賀県甲賀市信楽町黄瀬)

 信楽高原鉄道(SKR)とJR西日本の列車が正面衝突した事故から30年を迎えた14日、犠牲者の追悼法要が滋賀県甲賀市信楽町黄瀬の事故現場脇にある慰霊碑前で営まれた。遺族1人と鉄道事業者ら関係者6人が犠牲者42人の冥福を祈り、悲劇を繰り返さないことを誓った。

 法要は午前10時半に始まった。黙とうの後、80代の遺族男性や両社社長が花をささげた。僧侶の読経の中、SKRの列車が警笛を鳴らして傍らを走っていった。新型コロナウイルス感染症対応のため、両社長の追悼は言葉にせず、慰霊碑にささげるだけとなった。

 法要後、報道陣の取材に対し、SKRの正木仙治郎社長は「事故を風化させず安全運行を続けたい」と話した。JR西の長谷川一明社長は「コロナ禍で厳しい経営状況だからこそ安全安心を最優先にしたい」と強調した。

 今年は昨年に続き、コロナ感染防止のため参列者を絞って執り行った。三日月大造知事や岩永裕貴市長は法要前に訪れて手を合わせた。

 事故発生から30年が経過し、当時を知る社員がSKRにおらず、JR西も減っており、記憶や教訓の継承が懸念されている。コロナ禍でJR西は2021年3月期連結決算で純損益が民営化後最大の赤字、SKRも20年度決算で収支の悪化が見込まれており、両社の安全対策投資の確保も課題となっている。

 事故は1991年5月14日午前10時35分に発生。SKRの普通列車と、同町で開かれていた世界陶芸祭に合わせてSKR線に乗り入れていたJR西の臨時列車が正面衝突し、乗客42人が死亡し、614人が負傷した。