作家・三島由紀夫と京都と言えば、1950(昭和25)年の国宝・金閣炎上を題材にした56(昭和31)年初出の小説「金閣寺」があまりに有名だが、京都を物語の舞台にした三島作の歌舞伎作品があるのをご存じだろうか―。54(昭和29)年に初演された「鰯売恋曳網(いわしうりこいのひきあみ)」。金閣炎上から三島が小説「金閣寺」を発表する間に初演されたとは思えないほど対照的な、幸せ感でとろける恋物語になっている。=敬称略

 鴨川に架かる五条の橋が運命の出会いの場だった。