送検のため京都府警南署を出る山本直樹容疑者(右)=14日午後1時30分、京都市南区

送検のため京都府警南署を出る山本直樹容疑者(右)=14日午後1時30分、京都市南区

京都府警中京署から身柄を移される大久保愉一容疑者(後部右)=14日午後1時23分、京都市中京区

京都府警中京署から身柄を移される大久保愉一容疑者(後部右)=14日午後1時23分、京都市中京区

京都地検に入る山本淳子容疑者(14日午後2時16分、京都市上京区) ※画像の一部を加工しています

京都地検に入る山本淳子容疑者(14日午後2時16分、京都市上京区) ※画像の一部を加工しています

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者への嘱託殺人罪で起訴された2人の医師らが一方の父親を殺害したとされる事件で、京都府警は14日、逮捕した医師や母親ら3人を殺人容疑で送検した。捜査関係者によると、父親が事件当時に入院していた病院が胃ろうの手術を提案した際、容疑者の医師が拒否していたことが判明した。「なぜ長生きさせようとするのか」と反発していたという。

 殺人容疑で逮捕されたのは、死亡した山本靖さん=当時(77)=の息子で医師の直樹容疑者(43)、妻の淳子容疑者(76)、医師の大久保愉一[よしかず]容疑者(43)。2011年3月5日、共謀して靖さんを東京都内で殺害した疑いがある。

 淳子容疑者は14日午後2時15分ごろ、移送車両に乗せられて京都地検に到着。フェースシールドを付け、うつむきながら庁舎内に入った。

 捜査関係者によると、靖さんは事件当時、長野県内の病院に入院していた。口から食事を取る力が低下しつつあり、病院側はチューブで胃に直接栄養を送る胃ろうの造設手術を淳子容疑者に提案。だが、相談を受けた直樹容疑者は断ったという。

 その後、直樹容疑者は知人が勤める東京都内の病院に転院させると申し出て、靖さんは11年3月5日に退院した。その日のうちに、靖さんの死亡届が都内の区役所に提出されたという。

 また、捜査関係者によると、靖さんが亡くなる約1カ月前から直樹容疑者と大久保容疑者は死亡診断書の作成や火葬の手続きについてメールで相談していた。一部は淳子容疑者に共有されていたという。その中で直樹容疑者と淳子容疑者が交わしたメールには靖さんへの不満をつづったものがあり、「周囲を不幸にする」という趣旨の記述もあったという。

 山本直樹、大久保両容疑者は京都市中京区のALS患者の女性に対する嘱託殺人罪などで起訴されている。