新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場(4月12日、大津市)

新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場(4月12日、大津市)

 自治体の首長らへの新型コロナウイルスワクチン接種が物議を醸す中、滋賀県の5市町長と大津市の副市長2人が14日までに接種を受け、このうち野洲市長と湖南市長は医療従事者枠、4人は高齢者の予約キャンセル分でそれぞれ接種を受けていたことが分かった。いずれの自治体も問題はないとしている。

 京都新聞社が県知事と県内19市町長らへの接種状況を各自治体に尋ねた。

 野洲市の栢木進市長(64)は4月2日に医療従事者枠で接種した。今月10日に始まった高齢者の集団接種は市立野洲病院が唯一の市内会場になっており、市は「市長は病院事業管理者。医療従事者に当たる」との認識を示した。当日に接種したことを公表しており、問題ないとしている。

 医師でもある湖南市の生田邦夫氏市長(73)は、自身が経営する病院の医療従事者向けワクチンのキャンセル分を接種した。

 甲良町の野瀬喜久男町長(71)は今月9日、竜王町の西田秀治町長(69)は12日に高齢者向けワクチンの予約キャンセル分を接種した。両町ともワクチンの廃棄を防ぐため、事前に職員らへの接種順を決めていたという。「役場の保健師らへの接種はほぼ終わっていた」(甲良町)、「町長は危機管理の総括責任者で65歳以上。優先すべきと判断した」(竜王町)とする。

 大津市の杉江達秀副市長と清水純副市長は、高齢者向けワクチンのキャンセル分をそれぞれ接種した。2人は65歳以上の高齢者や医療従事者に該当しないが、佐藤健司市長は取材に対し「私が指示した」とした上で、「ワクチンを有効に活用するため、また2人は接種の管理監督をする立場であり、周囲に感染を起こすわけにはいかない」と理由を説明した。市長自身は接種を受けていないという。

 草津市の橋川渉市長(72)は、高齢者向け接種を市民と同じ予約手順を踏んで受けた。

 未接種は、大津市を含む14市町長と三日月大造知事。取材に対し「市長は市民の接種状況を見てから予約するとしている」(東近江市)、「キャンセル分を回すのは接種に携わる保健師らだけにする」(多賀町)などと回答した。