東京五輪の延期に伴い、虚脱感にさいなまれたアスリートは少なくない。水球男子日本代表候補の吉田拓馬(長浜北星高―日体大出)もその一人だった。ただ、前向きな姿勢を貫く他の選手に救われ、再起した。「メダルを取るという目標に見合った練習をこなす」。自身初となる五輪に向けて迷いはない。
 身長2メートル超の欧州勢らが立ちはだかる水球界で吉田は172センチと小柄だ。だが、持ち前のスピードに加え、左サイドからの得点力や、右サイドでもパスやアシストをこなす器用さを武器に、2016年以降、世界選手権やアジア選手権などで日本代表を支えてきた。
 リオデジャネイロ五輪は代表にあと一歩及ばず、補欠としてチームを見守った。その悔しさを原動力に実績を重ね、昨年3月に公表された東京五輪の最終候補に名を連ねた。しかし、3週間後に五輪延期が決まり、「目の前が真っ白になった」と振り返る。
 4月の緊急事態宣言以降は練習場所も失い、一気に気力がなくなったという。横浜市の自宅にこも……