壬生菜

<京の知恵 しあわせの食 小宮理実>

 こんにちは。料理研究家の小宮理実です。木々が色づき始める11月です。今年も残すところ2カ月を切り、月日の過ぎる早さに驚いています。

 朝晩の冷え込みが日増しに感じられるようになると、京野菜の壬生菜(みぶな)が食べたくなります。私の定番は「壬生菜と厚揚げのおじゃこ炊き」。厚揚げの油とおじゃこの塩気が、ほんのり苦味のある壬生菜のおいしさを引きたててくれます。おつゆも多めに、汁物代わりにいただきます。これからの季節にお薦めなのは、熱々の「豚豆腐」。豚バラ肉と焼き豆腐、玉ネギで作ります。ボリュームがほしいときは卵を落として、半熟になったら火を止めて食卓へ。

 「手羽中の甘辛から揚げ」は、塩・こしょうを振った手羽中をポリ袋に入れ、酒としょうゆを加えてよくもみ、1時間以上味をしみ込ませておきます。小麦粉をはたき、カリッと揚げたら、砂糖としょうゆを合わせたタレにからめて白ごまを。砂糖じょうゆにからめると、冷めてもおいしく、揚げたてのから揚げとはまた別のおいしさが楽しめます。お弁当のおかずやお酒のアテにもぴったりです。

 「塩ブリと水菜のさっと煮」は、旬に入ったブリの切り身に塩を振って1時間置きます。合わせておいたおだしでさっと煮て、ブリに火が通ったら水菜を入れ、仕上げにカボスをたっぷり搾りかけて完成です。かんきつの果汁を加えることで、ブリの脂もさっぱりして、いくらでもいただけます。

 「豚肉と糸こんにゃくのかつお炒め」は、ゆでた糸こんにゃくに豚肉とピーマンの細切りを一緒に炒めます。調味料は控えめに仕上げにかつおぶしを加えます。かつおぶしのうま味は減塩にもつながり、普段の健康おかずには欠かせません。

 「千切りぱりぱり漬け」は、食物繊維も豊富な干し大根を使った、15分で仕上がるお漬物です。鷹の爪(タカノツメ)を加えてピリッと。ごはんもすすみます。

 旬のおいしさを生かしながら、体に優しい料理を考えることが日々の課題になっています。(料理講座「幸せ運ぶフクチドリ」主宰)

【2020年11月1日朝刊掲載】

ホームページ「料理研究家・小宮理実」(https://komiyarimi.com/)


◆小宮理実 こみや・りみ 1971年京都市上京区室町生まれ。おせち料理・行事食研究家。家庭で作る季節の行事食を伝えており、食育活動のほか、商品開発も手掛ける。著書「福を呼ぶ京都 食と暮らし暦」「京のおばんざい四季の味」。