大津地裁

大津地裁

 滋賀県近江八幡市で2017年8月に知人男性を監禁して衰弱死させるなどしたとして、殺人や監禁致傷の罪に問われた飲食店経営井坪政(しょう)被告(30)=堺市=の裁判員裁判の論告求刑公判が15日、大津地裁(伊藤寛樹裁判長)であった。検察側は「生き地獄に等しい環境で虐待や搾取の限りを尽くし、人命軽視が甚だしい」として、有期刑の上限に当たる懲役30年を求刑。弁護側は無罪を訴え結審した。判決は22日。

 検察側は論告で、被告は言葉巧みに被害者に接近し、日常的な暴力で行動を支配していたと指摘。共犯者に指示して犯行や証拠隠滅を主導しており、「責任は格別に重大」と非難した。衰弱した被害者に適切な治療を受けさせなかった動機を監禁や虐待の発覚を逃れるためと説明した。

 弁護側は、共犯者らの供述は信用できないと反論。監禁につながる暴力や殺意はなかったとして、改めて無罪を主張した。

 遺族の意見陳述は1時間近くに及び、両親や姉は「うそを重ねて死んだ彰(被害者)を侮辱している」「あまりに残虐で頭がおかしくなる」と述べ、厳罰を望んだ。

 起訴状では、井坪被告は共謀し、堺市で1年近く監禁した無職渡邉彰宏さん=当時(31)=を近江八幡市の民家に連行して監禁を続け、17年8月17日に細菌性肺炎で病死させた。また、別の知人男性(39)を17年11月まで堺市で4年間監禁し、治療約2カ月の傷害を負わせた、としている。