琵琶湖の水を採取する県職員(大津市唐崎沖)

琵琶湖の水を採取する県職員(大津市唐崎沖)

琵琶湖の唐崎沖で採取されたポリエチレンのマイクロプラスチック。大きさは最も長い部分で2・74ミリ(ピリカ提供)

琵琶湖の唐崎沖で採取されたポリエチレンのマイクロプラスチック。大きさは最も長い部分で2・74ミリ(ピリカ提供)

 海洋流出が問題になっているプラスチックごみの断片「マイクロプラスチック」が琵琶湖の水にどれぐらい含まれているかについて、滋賀県は一般社団法人「ピリカ」(東京都)と実態調査を行い、結果をこのほど発表した。日本近海よりは少なかったが、「手遅れになる前に減らす必要がある」としている。県が琵琶湖のマイクロプラスチック調査に乗り出すのは初めてという。

 ピリカは環境問題に取り組む団体。昨年度、自治体や大学と全国の湖や河川、港湾などの水域120地点を調査し、滋賀県では8~9月に琵琶湖と河川計10地点で実施した。琵琶湖の北湖3地点と南湖2地点、瀬田川1地点のほか、土地の利用形態による違いも調べるため、湖南市北東部の祖父川と茶釜川が流れる田畑、住宅地、工業団地、山林の各1地点でも調査した。ピリカが開発した装置を使い、県職員が採取した。

 5ミリ以下のマイクロプラの数は、琵琶湖と瀬田川の6地点で1立方メートル当たり1・91~0・18個だった。北湖が平均0・79個、南湖は平均0・75個だった。琵琶湖の水の出口に当たる瀬田川は0・18個だった。2014年度に環境省が調査した太平洋や日本海の日本近海の平均2・4個より少なかった。

 湖南市の調査地点では、住宅地の川が2・95個で、山林、工業団地、田畑のそれぞれの川の0・76~0・37個を大きく上回った。マイクロプラの種類を分析すると、レジ袋などに使われるポリエチレンだけでなく、洗濯ばさみやプランター、玄関マットなどの人工芝に多用されているポリプロピレンが多かった。

 琵琶湖の水は、水道水として大津市など県内だけでなく、京都市も取水している。大阪府など下流域も含めると、給水人口は1479万人(2018年度)に達する。

 県琵琶湖保全再生課によると、マイクロプラそのものに毒性はなく、口から体内に入ってもそのまま排せつされる。ただ、今後の研究で生態系への影響が新たに判明すると状況が一変する可能性もあり、「ポイ捨てごみだけでなく、洗濯ばさみなど屋外で使う身近なプラスチック製品が劣化、細分化してマイクロプラになり、雨で川に流れ込んだ可能性がある。劣化する前に定期的に交換するよう市民に呼びかけたい」としている。