中にチーズが入った韓国風のフレンチトーストと糸ピンス(京都市東山区・アンニョンテラス)

中にチーズが入った韓国風のフレンチトーストと糸ピンス(京都市東山区・アンニョンテラス)

目の前で切り分けられる台湾カステラ。ふわふわの食感が特徴という(京都市中京区・黄白白 新京極店)

目の前で切り分けられる台湾カステラ。ふわふわの食感が特徴という(京都市中京区・黄白白 新京極店)

1ミリほどの細さに削られた氷が何層も重なる糸ピンス(京都市中京区・ソルカフェ)

1ミリほどの細さに削られた氷が何層も重なる糸ピンス(京都市中京区・ソルカフェ)

 アジア発のスイーツを扱う飲食店の出店が京都市内で相次いでいる。台湾発のタピオカミルクティーのブームは落ち着いたが、経営者自身のルーツへの思いやSNSでの写真映え、空き店舗の増加などさまざまな動きが重なっている。新型コロナウイルス禍で厳しい状況に置かれている各店の模索が続く。

 薄さ1ミリほどに削った氷を何層にも重ねた韓国かき氷「糸ピンス」に、チーズが入った韓国風フレンチトースト。いずれも現地で人気のスイーツで、色鮮やかな見た目はSNSに映えそうだ。

 扱っているのは、アンニョンテラス(東山区)。飲食店運営の拓美(同)が、祇園の自社ビルで4月にオープンした。施設内の焼き肉店のリニューアルを昨年6月に予定していたが、会社員や飲食店関係者、インバウンド(訪日外国人)といった従来の顧客層の利用が見込めず、延期した。鴨川を見渡せるテラスを活用し、新たに若者をターゲットとした事業に乗り出す。

 韓国スイーツを選んだのは総支配人、清水秀和さん(43)らが韓国にルーツがあるという背景もある。今後は現地の薬膳料理も提供していく予定で、「日本との文化のつながりが生まれる場所として、新たな流行を発信したい」と意気込む。

 糸ピンスの提供やカラフルな韓国風マカロン「トゥンカロン」の委託販売を行うソルカフェ(中京区)も今春から営業している。K―POPを中心とした韓国文化が、若い女性の間で根強い人気があるためだ。経営する水野カンパニー(伏見区)の担当者は「新型コロナ禍で競争が非常に激しい。後追いしたタピオカミルクティーの店舗が姿を消したように、流行の最先端を出さないと生き残れない」という。

 ふわふわの食感が特徴の台湾カステラを扱う黄白白(ファンパイパイ)新京極店(中京区)は、2月に開業した。運営するサクラブルーコーポレーション(大阪市)が3府県目として京都を選んだのは、不動産事情もあった。

 店があるのは新京極商店街。訪日客の減少や消費の落ち込みで空き店舗が並ぶようになっている。担当者は「新型コロナで、関東地方は家賃が高騰したままなのに、人の動きが読みづらい。足場から固める必要がある中で偶然いい物件と巡り合えた」という。

 元立誠小跡地(中京区)を活用した複合施設で昨年7月にオープンしたのは、台湾カフェ「春水堂」。運営するオアシスティーラウンジの代表でタピオカドリンクの仕掛け人として知られる木川瑞季さんは「台湾グルメは味付けなど日本人と親和性が高く、韓国スイーツはきれいな見た目が受けている」とみている。

 「新型コロナ禍で、旅行先として人気だった韓国や台湾に行けない状況が重なり、関心が高まった面もある。何度もリピートしてもらえる食文化として定着できるかが、事業継続の鍵だろう」と話している。