新型コロナウイルスによる患者の死に向き合った京都九条病院(京都市南区)の看護師3人のインタビューを掲載した冊子が発行された。日々報道される死者数の先にある一人一人の看取(みと)りが、看護師の目と心を通して描かれている。登場する女性看護師は患者の死後、感染予防のためとはいえ真っ黒な納体袋に入れることに心を痛めた。可能な限り人としての尊厳を守ろうと、納体袋の上から布団を掛けた。

 取材、執筆したのは写真家・ジャーナリストの小原一真さん(35)=大阪府茨木市=。昨年5月より米ナショナル・ジオグラフィック協会からコロナ禍を記録するジャーナリストへの助成を受け、看護師らを取材している。書籍化を目指すが、「コロナ感染『第4波』が大きな被害を生む中、早く現場の声を届けたい」と内容の一部の先行発行を模索。コンビニエンスストアのサービスを通じて全国に届けるユニークな方法を選んだ。

 冊子のタイトルは「fill in the blanks」。「空白を埋める」という意味で、コロナによる死が隔離や差別によって社会に届かない「空白域」になっているとの問題意識から……