京都市役所

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 高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種を巡る京都新聞社の調査で、京都市が「7月末までに完了することは可能」と回答したことに、読者から疑問の声が寄せられている。「私の予約は9月と10月だ」など市の回答と食い違う声が多い。市も接種を行う地域の医療機関で8月以降にも予約が入っている現状を把握しており、市内部から「現状では厳しい」との声が聞かれる。

 京都新聞社は今月10~13日、京都府内全26市町村に対し、政府が強く求める「7月末までの完了」が可能かどうかを尋ねた。選択肢は「可能」「困難」「分からない」の3択だったが、府内で最多の高齢者がいる京都市は「可能」と回答し、「接種を希望される全ての高齢者の方に7月末までに接種を受けていただけるよう進めている」とした。

 調査結果を14日付朝刊で報じると、京都市内の高齢者から「私の1回目の接種予約は8月初旬だ」「1回目が9月、2回目は10月の予約になった」など市の回答は実態と異なるとの指摘が相次いだ。「市は正直に答えていない」と市の姿勢に不信感をあらわにする意見もあった。

 京都市では、地域の医療機関での個別接種を中心に位置付けているが、予約は市を通さずに各医療機関が直接受け付けている。実際の予約状況が市に伝わっていないことも考えられたが、市は取材に対し、8月以降にずれ込んだ予約があることを「把握している」とする。こうした中で7月末までの完了を「可能」と回答したが、複数の市幹部は「目標だ」「そうできるよう頑張りたい」と述べるにとどまり、根拠が不確かなまま回答した実態が浮かび上がった。

 個別接種を行う市内の医療機関を取材すると、「7月末までの予約はすでにいっぱい。8月分も受け付けている」「9月分の予約もある。市が示す『7月末までの完了可能』というのは、現場の実態とかい離している」と打ち明ける。ワクチン接種は通常の診療と並行して行っており、仮にペースを上げるよう求められても1日当たりの接種人数を急には増やせないという。

 市は当初、在宅の高齢者約39万人分の接種について、約700カ所での個別接種と14カ所の集団接種会場で行うと計画していた。しかし、「当初の計画では7月末までに終えることは厳しい」(市幹部)といい、集団接種会場を急きょ2カ所追加した。市は現在も「7月末までの完了は可能」との姿勢は変えておらず、今後も接種を行う会場や日時を増やすよう調整を進めているという。

※読者から寄せられた情報を基に取材しました。