子どもに勉強を教える枡田さん(左)=京都府与謝野町

子どもに勉強を教える枡田さん(左)=京都府与謝野町

 京都府与謝野町で元教諭の男性が、月謝500円の塾を開いている。家計の事情で塾に通うことができない子どもや家庭の助けになろうと始め、手作りのプリントや数字パズルを使いながら、勉強の楽しさを伝えている。

 「さあ、どうやったら10ができるかな」。枡田辰幸さん(61)が、小学校6年生と3年生のきょうだいに問いかける。挑戦するのは「メイクテン」という数字パズル。0~9までの数字を四つ選び、10になるように四則計算をする。「もっと考えたい」と2人も真剣な表情だ。

 小学校の教諭を55歳まで勤め、現在はガソリンスタンドで働きながら、3月に自宅で個別指導塾「MATH屋」を開いた。塾の月謝は500円で、80分の授業を週1回行う。未就学児から中学生までの12人が通っており、小学生には全教科、中学生には数学を教えている。

 「反復練習ではなく、1題1題に頭を使うことで、考えることを苦にしない子どもを育てたい」と、計算ドリルは使わず、パズルなどで思考力を鍛えることを意識する。

 貧しかった子ども時代の記憶が、格安塾の開校につながっている。中学卒業後すぐに働こうと、ほとんど勉強をしてこなかったが、ある日、勉強の楽しさに気付いた。「ちょっとしたきっかけで勉強が分かる楽しさを感じてほしい。勉強の苦手な子の理解者になりたい」と話していた。