京都市右京区役所に設けられているホンデリングの回収箱

京都市右京区役所に設けられているホンデリングの回収箱

 不要になった本を寄付し、犯罪被害者支援に役立てる「ホンデリング」の活動が全国で停滞している。京都府内でも、外出自粛の影響で本の回収箱のある自治体庁舎を訪れる人が減り、昨年、京都犯罪被害者支援センター(京都市上京区)の収入に結び付いた寄贈冊数は約4割減少した。市は無料引き取りサービスの利用を呼び掛けている。

 活動は「全国被害者支援ネットワーク」(東京都)と、本買い取り販売会社「バリューブックス」(長野県)が2011年に開始。寄贈された本をバリュー社が買い取り、代金は寄贈者が指定する各地の被害者支援センターへ寄付される。「本(ホン)で支援の輪(リング)を広げて」との願いから名付けられた。

 府内では16年から自治体との協力が本格化し、京都犯罪被害者支援センターによると、現在、府と14市町が庁舎に回収箱を設ける。センターの収入になった本の寄贈冊数は13年の1218冊(収入2万8千円)から、19年は4万4912冊(同80万5千円)に増加。被害者や家族の相談などの貴重な活動費になっていた。

 しかし、新型コロナで、状況は一変。市町村では「密」を防ぐため、窓口への来訪自粛を要請したところもあり、昨年1月~11月の寄贈は2万5617冊(同47万3千円)に激減した。買い取り対象が11年以降に出版された本に限られたことも影響した。

 中京、左京、右京の3区役所で回収箱を常設する京都市。毎年5月の「いのちを紡ぐ週間」は全区役所支所に置いてきたが、今年の同週間(21~27日)は緊急事態宣言下となり、回収箱は置くものの、関連イベントは中止に。市担当者は「『区役所に本を持って来て』とはお願いしにくい状況」と悩む。

 そこで周知するのが5冊以上で箱詰めすれば、自宅まで引き取りに来てくれる無料サービス。同センターのホームページに紹介されている、バリュー社の専用サイト「チャリボン」で申し込める。センターは「ステイホームで読書を楽しんだ人も多いはず。密にならない方法で寄贈をお願いしたい」とする。

 寄付できるのはISBN(国際標準図書番号)のある11年以降に出版された本。同センター075(415)3008。