新作舞踊「あたご」の披露に向けて稽古を重ねるダンサーや嵯峨大念佛狂言保存会のメンバーたち(京都市右京区)

新作舞踊「あたご」の披露に向けて稽古を重ねるダンサーや嵯峨大念佛狂言保存会のメンバーたち(京都市右京区)

 古くから信仰を集める愛宕山(京都市右京区、標高924メートル)への祈りを題材にした新作舞踊「あたご」が23~24日、右京ふれあい文化会館(右京区太秦安井)で初披露される。地元の嵯峨大念佛狂言の「カンデンデン」の囃子に乗せ、3人のダンサーが躍動する。振付を担うきたまりさん(36)=右京区=は昨春から毎月、愛宕山に登り、感じ取った山の風習や四季を基に、振りを付けた。

 「愛宕山と日常の間には境界線がある」。毎月の登山を経て、きたまりさんは、そう感じた。「清滝トンネルや鳥居を経て、歩くほどに“気”が増える。通りすがりの人にも、あいさつを交わす。そんな境界線を、まず表したい」と語る。

 さらに火伏せ(防火)で知られる山上の愛宕神社、麓の清凉寺(せいりょうじ)で演じられる嵯峨大念佛狂言といった信仰や祈りに、桜や紅葉、濃霧などの季節の移ろいを、具象・抽象を交えた振りにする。

 演奏は嵯峨大念佛狂言保存会の鉦(かね)・太鼓と横笛のみ。同保存会の加納敬二事務局長(67)は「狂言以外での演奏は長い歴史上で初。西洋的な踊りとの融合に不安もあるが、囃子のリズムを体で感じて表現してもらえれば」と期待する。

 ダンサーは野村香子さん(34)、斉藤綾子さん(28)、益田さちさん(28)。「愛宕山を日々見る人たちに舞踊を自由に感じてほしい」ときたまりさん。

 23日午後6時と24日午後3時の2回公演。2500円。70歳以上と25歳以下は1500円。同館を運営する市音楽芸術文化振興財団の主催。