プラスチック射出成形品の取り出しロボットメーカー、ユーシン精機の小谷眞由美社長(74)が6月に取締役を退任し、次女の小谷高代副社長(43)に経営トップを引き継ぐ。創業者で夫の進さんが急逝したため、急きょ社長になったのが約19年前。これまで不況下でも黒字を堅持し、業容拡大を続けてきた。上場メーカーを長年率いた女性リーダーに、企業経営の信条を聞いた。


―突然の社長就任でした。

 「もともと60歳で仕事を辞めると決めていたが、55歳の時に夫が急逝し、経営を引き継ぐことになった。社員を心配させてはいけないと考え、その時会社を休んだのは1日だけ。悲しかったが、パートさんにも『社長、元気ですか』と励ましてもらった。社員みんなが盛り上げてくれ、一丸となって頑張れた」


―会社の屋台骨がいなくなり、何を考えましたか。

 「夫は技術者で、製品開発の中心だった。彼の代わりを1人で担うのは難しく、その役目を最も考えた。機械屋は信用がないと買ってもらえないが、幸い顧客や取引先も『何も変わっていない』と注文を継続してくれた。社員全員が『自分がやらなきゃだめだ』と考え直してくれ、営業担当者が特に前向きに走った」


―結婚と同時に会社で働き始めました。

 「最初は京都・東山の路地に立つ町家を工場にし、資本金400万円から始めた。小さい会社だったが、夫がこだわったのは、下請けでなくメーカーだということ。私はもともと数字が好きで、金融機関との金利交渉や売掛金の回収も……