世界の霊長類学を牽引してきた前京都大総長の山極寿一氏が4月から、総合地球環境学研究所(地球研)の所長に就任した。長年にわたるフィールド研究で培った目からは、霊長類学と環境問題はどのようにつながっているのか。文化と人間、そして動物をキーワードに創立20年となる地球研の今後の展望を聞いた。

 -フィールド研究を長くしてきた経験を踏まえ、地球環境というグローバルな領域に足を踏み入れる。

 「地球研の初代所長を務めた日高敏隆さんは、『地球環境は人間文化の問題だ』と喝破した。文化は人間だけでなく動物も持っていると考えた今西錦司の弟子筋に当たる私の言葉で言えば、環境は動物とつながりのある文化の問題だ」

 -環境問題を文化と関連づけて考える意義は。