国内で接種できる新型コロナウイルスワクチンについて、新たに海外2社の製品が正式に承認された。

 米モデルナ製と英アストラゼネカ製で、厚生労働省の専門部会の審議を踏まえた特例だ。

 大規模接種センターが動きだす直前のタイミングで、かろうじてワクチンを複数ルートで手に入れられる裏付けができた。世界的に遅れていた日本の接種の加速に向けて弾みになろう。

 モデルナ製は、すでに使われているファイザー製と同じmRNAワクチンと呼ばれるタイプで、有効性も94%とほぼ同等とされる。

 アストラゼネカ製については、海外でまれに接種後に血栓が生じる事例が報告されているため、国内での使用は当面、見送られる。

 それでも、ファイザー製とモデルナ製を合わせて1億2200万人分を確保できる見通しだ。

 政府は、先行している市区町村の個別接種や集団接種ではファイザー製を使い、24日に東京と大阪で始まる大規模接種センターや都道府県が設ける大規模接種会場にモデルナ製を充てるという。

 これまでワクチンの供給量が十分でなく、優先接種できる人数は限られていた。今後は国民が安心して円滑に接種できる態勢を整えていくことが重要となる。

 ファイザー、モデルナとも2回接種する必要があるが、間隔は3週間と4週間で違いがある。冷凍保管する温度も大きく異なる。

 別々のメーカーのワクチンを接種したり、適切な管理ができずに破棄につながったりすることのないよう、現場で注意してほしい。

 市町村での高齢者接種の受け付けが始まっているが、予約を巡って各地で混乱が出ている。電話が通じにくかったり、インターネットを使いこなせなかったりで、不満を抱く市民は少なくない。

 大規模センターも二重予約や架空予約を防げないシステム不備が明らかになった。希望する人が着実に予約できるよう、改修を進めてほしい。

 高齢者らに対しても市町村のワクチン情報と混同しないよう、より丁寧な注意喚起が要るだろう。

 接種に欠かせないのは注射の打ち手だ。政府は医療従事者の確保を引き続き支援してほしい。

 ワクチンの効果は変異株に対しては未知数な面もある。国民の多くにワクチンが行き渡るには時間がかかりそうだ。マスク着用や3密回避といった感染防止対応は引き続き求められる。