京都市が行っているHIV検査の件数の推移

京都市が行っているHIV検査の件数の推移

無料、匿名で受けられる京都市のHIV検査で受検者が記入する申し込み用紙や採血道具など(京都市中京区・京都工場保健会)

無料、匿名で受けられる京都市のHIV検査で受検者が記入する申し込み用紙や採血道具など(京都市中京区・京都工場保健会)

 京都市内でエイズウイルス(HIV)の検査を受ける人が減っている。無料・匿名で受けられる市の検査を昨年受けた人は前年の約3割にとどまり、過去10年で最少となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、検査が一時休止されたことが原因とみられる。

 HIV検査は民間の医療機関で受けられるが、数千~1万円程度の費用と記名が必要な場合が多い。そのため、全国の多くの保健所が無料で匿名の検査を行っている。

 京都市は週4回の平日昼間に加え、週1回の夜間や土・日曜日も検査を行い、「全国の政令指定都市でもトップクラスの検査数」(市医療衛生企画課)を誇ってきた。2010年以降、2千~3千件台で推移し、17年に1時間程度で検査結果が分かる方法の実施日を拡大してからは18年に4093件、19年が4334件と一層増えていた。

 ところが昨年は、19年比72%減の1218件にとどまり、10年以降では最低に落ち込んだ。新型コロナの感染拡大を受け、市が「3密」回避や保健師の多忙を理由に、昨年4~5月に検査を全面的に休止したことが影響した。

 6月から検査を順次再開したが、大幅な回復はみられなかった。市は「コロナで性交渉などの機会が減ったこともあり、検査を受けようとする人が減ったのでは」とみる。京都市以外を管轄する京都府の7保健所が行うHIV検査の受検者数も昨年は計290件と、前年より40%減少した。

 市は、HIVに感染してからエイズを発症するまで一般的に5~10年かかることを理由に「いったん検査数が減ったからといってすぐに感染者やエイズ患者が増える訳ではない」とする。ただ、このまま検査数の少ない状態が長引けば、検査を受ける機会を得られないまま発症するケースも増えかねないという。

 そこで市は今年4月から、検査を本格的に再開している。昨年度まで会場に使っていた下京区役所ではスペースが狭く「3密」が避けられないことから、会場の広さが確保できる京都工場保健会(中京区)に変更。検査業務も同保健会に委託し、平日の昼間は毎週月曜日、夜間は月2回月曜日に行う。土日は従来通りそれぞれ月2回とする。

 市医療衛生企画課は「気を付けなければならない感染症は新型コロナだけではない。HIVに感染したかもと思ったら気軽に検査を受けてほしい」とする。予約は同保健会0120(636)040。