柿渋を塗った新聞用紙の袋を提案し、ビジネスコンペで優勝した(右から)近美さん、伊藤さん、高屋さん=木津川市木津・木津高

柿渋を塗った新聞用紙の袋を提案し、ビジネスコンペで優勝した(右から)近美さん、伊藤さん、高屋さん=木津川市木津・木津高

 柿渋が地球を救う―。山城地域の特産「柿渋」を使ってプラスチックごみを減らす木津高(京都府木津川市)の生徒たちのアイデアが、延べ824組が参加した「関西大ビジネスプラン・コンペティション」高校・高専の部で優勝した。耐久性や耐水性を高める柿渋を塗った紙のレジ袋を提案。実験を重ね、柿渋の安定供給も考えるなど実用化の可能性を追求し、発表した。

 システム園芸科2年の近美(ちかみ)夕子さん(17)、伊藤一紗さん(16)、高屋友里さん(17)でつくるソーシャルビジネス研究班A。
 3人は世界的に問題となっているプラスチックごみに注目。使い捨てビニール袋が禁止されたフィリピンの島で、ぬれた魚を紙袋に入れている様子をテレビで見て発想を広げた。
 ビニール袋に代わるレジ袋ができないかと考え、地元特産の柿渋に着目した。「三桝(みます)嘉七商店」(同市)や「柿渋・カキタンニン研究会」(精華町)などを訪ねて柿渋の特徴や用途を教わった。
 新聞の用紙で紙袋を作って実験もした。2・5キロのペットボトルを入れて耐久性を試すと、柿渋を塗らない袋はすぐ破れたが、塗った袋は2、3時間たっても破れなかった。ぬれたこんにゃくと500グラムのペットボトルを入れた防水実験でも同様の結果が得られ、ペットのふんを入れた実験では消臭効果が確認できた。
 ビジネスコンペでは、2度の書類選考を突破した5校が今月5日の本選会に臨んだ。実用化にはコストが課題で、柿渋の安定供給が鍵となる。3人は、原料の柿は渋みが強く獣害を受けないことから、中山間地域の耕作放棄地で栽培すれば、安価で大量生産できる上、農家の仕事を生み、斜面では土砂災害の防止にも効果的とプレゼンテーションした。
 柿渋を塗る回数によって袋の強度は変わるかなど今も研究を続けている。地元の印刷会社を訪ねて実際の製造ラインで作れるかなど商品化の可能性も探るといい、3人は「実用化につながればうれしい」と期待を込める。