長尾真氏

長尾真氏

2018年、文化勲章を受けた際に京都新聞社の取材に応じる長尾真氏(京都市左京区)

2018年、文化勲章を受けた際に京都新聞社の取材に応じる長尾真氏(京都市左京区)

 元京都大総長で人工知能(AI)研究に多くの業績を挙げた長尾真(ながお・まこと)氏が23日に出血性脳梗塞のため死去していたことが、26日分かった。84歳。三重県出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は妻の美紀子(みきこ)さん。

 長尾氏は、京大工学部卒。工学部講師や助教授を経て1973年に教授となり、大型計算機センター長や付属図書館長、工学研究科長などを歴任した後、97年~2003年に総長を務めた。

 総長在任中は桂キャンパス(京都市西京区)を開設し、創立100周年記念事業として「百周年時計台記念館」を完成させた。また国立大学協会長として、法人化に向け全国の国立大の意見をとりまとめた。

 総長退任後は、国立国会図書館長として、電子図書館化を推進。国際高等研究所(木津川市)所長、京都府公立大学法人理事長も務めた。

 専門は情報学。研究の成果はさまざまな分野に応用され、文字認識は郵便番号の読み取り装置に、顔の識別技術は防犯カメラに使われている。自身が開発した過去の翻訳例から自動的に最適解を導く「用例翻訳」も、世界的に普及した。

 情報処理学会功績賞や人工知能学会業績賞、日本国際賞などを受賞。紫綬褒章を受章し、文化功労者にも選ばれた。18年には文化勲章を受けた。