片岡秀太郎さんの最後の舞台となった昨年の南座・顔見世の舞台。「熊谷陣屋」の藤の方役(左)で、弟の仁左衛門さんと人間国宝の兄弟共演を果たした=2020年12月、京都市東山区、松竹提供

片岡秀太郎さんの最後の舞台となった昨年の南座・顔見世の舞台。「熊谷陣屋」の藤の方役(左)で、弟の仁左衛門さんと人間国宝の兄弟共演を果たした=2020年12月、京都市東山区、松竹提供

 上方歌舞伎の名女形として親しまれた京都育ちの歌舞伎俳優で、人間国宝の片岡秀太郎(かたおか・ひでたろう、本名片岡彦人=かたおか・よしひと)さんが23日午後0時55分、慢性閉塞性肺疾患のため、大阪府吹田市の自宅で死去した。79歳。大阪府出身。葬儀・告別式は家族葬で営まれた。

 京都に居を構えた故十三代目片岡仁左衛門さん(人間国宝)の次男。兄の片岡我當(がとう)さん、弟の十五代目片岡仁左衛門さん(人間国宝)とともに、上方の名門「松嶋屋」を支えた。南座の顔見世には9歳の時に初出演。昨年まで出演を続け、前人未到の通算71回の最多出演記録を更新していた。

 1946年、南座で初舞台。56年に二代目秀太郎を襲名。「封印切」の梅川、「河庄」の小春といった上方歌舞伎のヒロインを多く演じた。近年では脇に回って「吉田屋」のおきさ、「封印切」のおえんなど、上方の情緒を風情あふれる芸で体現した。

 関西に居を構え続け、自主公演で珍しい上方の芝居を復活するなど、上方歌舞伎再興に力を注いだ。養子の片岡愛之助さんを育てるなど若手育成にも尽力した。2019年に人間国宝に認定された。