記者会見で奨学金プロジェクトについて説明する安藤忠雄さん(中央)=京都市左京区・京都大

記者会見で奨学金プロジェクトについて説明する安藤忠雄さん(中央)=京都市左京区・京都大

京都大学

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 京都大は27日、若手研究者の育成や経済的に困窮している学生の支援のため、独自の基金をつくり返済不要の奨学金制度を立ち上げると発表した。建築家の安藤忠雄さんや家具・日用品大手のニトリホールディングス(HD)などによる民間の寄付を原資とし、来年度から支給を始める。基金の規模は約25億円で、10年間で1200人程度への支給を目指すという。


 「Create the Future Project(クリエイト ザ フューチャー プロジェクト)」と銘打ち、長期的な学生への支援を通じて研究力や創造力の底上げにつなげる。支給対象は、京大に在籍する3年以上の学生と大学院生。進学や研究活動への強い意欲があり、将来的に専門分野への貢献を目指す人を想定している。学生は2年間で月5万円、大学院生は2~3年間で月10万円を支給する。11月以降に希望者からの申請を受け付ける。


 企画の中心となったのは安藤さん。新型コロナウイルス感染拡大などによって学費や生活費が大きな負担となり、学業を諦めざるを得ない学生がいる現状を知ったのがきっかけだった。親交のあった知人らに協力を呼び掛けたことで実現した。安藤さんとその関係者から10億円、ニトリHDから10億円をはじめ、既に多くの企業や個人から寄付が集まっているという。


 京都市左京区の京大であった記者会見で安藤さんは「次の時代の優秀な人を育てないと次の時代の日本はない。生きている限り支援していくつもりでいる」と述べた。ニトリHDの似鳥昭雄会長は「教育を含めて人への投資は大切だと思っている」とし、京大の湊長博総長は「基金を維持するために、ここで育った学生が自らの後輩を助けるというように回っていくことを期待している」と話した。