大津地裁

大津地裁

 福井県の東尋坊で2019年10月、滋賀県東近江市の嶋田友輝さん=当時(20)=が遺体で見つかった事件で、殺人と監禁、傷害の罪に問われた住所不定、無職上田徳人被告(41)の裁判員裁判の論告求刑公判が27日、大津地裁(大森直子裁判長)であり、検察側は懲役10年を求刑した。判決は6月16日。

 検察側は論告で、「被告は、(共犯の)元少年らが嶋田さんを死に追い込んでいく状況を認識しながら東尋坊まで連行した」とし、いずれの罪も成立すると指摘。その上で「(犯行に関わった中で当時)唯一の成人で、元少年らを制止すべき立場だった」と非難した。

 弁護側は「被告は、けがを伴う暴行には加わっておらず、元少年らに言われるまま東尋坊まで車を運転したに過ぎない」と、殺人と傷害について共同正犯は成立しないと主張した。

 論告の前に嶋田さんの母親が意見陳述し、「被告は、暴行を受けた友輝と2時間以上2人きりでいて、助けられたのに見殺しにした」と厳罰を訴えた。

 起訴状によると、上田被告は、当時未成年だった長浜市の元少年(21)=殺人罪などで起訴=ら6人と共謀。19年10月17~18日、同市で、嶋田さんの脚を車でひくなどし車に閉じ込めて東尋坊に向かい、同18日夜、崖から飛び降りさせ死亡させた、などとしている。

 この事件で大津地裁はすでに長浜市の元少年を除く18~20歳の計5人に対し、懲役10年以上15年以下などの不定期刑(確定)を言い渡している。