軽トラックに作られた巣。5羽のひなが口を開け、餌を求めるそぶりを見せていた(京都府南丹市園部町)

軽トラックに作られた巣。5羽のひなが口を開け、餌を求めるそぶりを見せていた(京都府南丹市園部町)

荷台を上げた状態の軽トラック。運転席のすぐ後ろ辺りの、荷台と車台の隙間にキセキレイが巣を作った

荷台を上げた状態の軽トラック。運転席のすぐ後ろ辺りの、荷台と車台の隙間にキセキレイが巣を作った

巣に餌のようなものを運ぼうとするキセキレイ

巣に餌のようなものを運ぼうとするキセキレイ

 巣作りしたのは市役所の軽トラック-。黄色いおなかが特徴の鳥キセキレイが、京都府南丹市の公用車で子育てに励んでいる。業務で使っていたにもかかわらず、立派な巣が完成。抱卵できない時間も多かったとみられるが、24日ごろに無事に5羽がかえった。市は巣立つまで軽トラの使用を控える粋な計らいで成長を静かに見守る。

 市農山村振興課によると、軽トラは同市園部町の本庁舎の敷地に駐車。有害鳥獣への対応で連日使用しており、でこぼこ道もよく通る。荷台をはね上げられるタイプで、たまった雨水を捨てようと25日に上げたところ、車台に職員が枝や草の固まりがあるのを見つけた。ごみかと思って近づくと、直径15センチほどの巣で、中に生まれたてのひながいることに気づいた。

 抱卵期間などから逆算すると、車を使う機会が少ない大型連休中に、荷台との間にある10センチほどの隙間から入り込んで作ったとみられる。日本鳥類保護連盟京都の八木昭副会長(77)は「毎日使う車に巣を作るのは、かなり珍しいのではないか」と話す。

 軽トラは連日、公務で使われており、日本野鳥の会京都支部は「卵を温めないといけないが、どうしていたのか」と首をひねる。同課の奥村豊課長補佐は「巣はエンジンルームの近くにあり、熱があったのが良かったのかも」と推測する。

 26日、巣ではふわふわした毛に包まれた小指大のひなが口を開け、餌を求めるそぶりを見せていた。つがいとみられるキセキレイが、周囲を警戒しながら、餌のようなものを運ぶ姿も見られた。

 キセキレイなどを含むセキレイは合併前の旧八木町の鳥で、市の車をすみかとしたのも何かの縁と、6月上~中旬の巣立ちまで別の車で代替する。片山正人課長は「当課は駆除もするが、保護もする。元気に巣立ってほしい」と願った。