土産店の店頭で野菜を販売し始めた西澤さん。「地元の人が足を運んでもらうきっかけになれば」と期待する(京都市中京区・新京極商店街)

土産店の店頭で野菜を販売し始めた西澤さん。「地元の人が足を運んでもらうきっかけになれば」と期待する(京都市中京区・新京極商店街)

 新型コロナウイルスの影響で観光客が激減する中、京都市内の観光地にある土産物店が日用品の販売を充実させている。住民向けの品ぞろえに転換することでコロナ禍を乗り越えようとしており、住民には縁の薄かった土産店を地域にアピールしている。

 九条ねぎやレタス、トマト…。新京極商店街(中京区)にある土産物店「京のふるさと」は4月上旬、店先に野菜を並べ始めた。これまではマグネットやキーホルダーといった外国人観光客や修学旅行生向けの商品が主力で、昨春以降、収入は激減。売り上げゼロの日もあったという。

 「観光客がだめなら、地元の人に役立つものを」と、下京区内の青果店から約20種の野菜や果物を仕入れ、毎週木曜日から販売している。口コミで広まり、日曜日までには完売するようになった。

 売り上げはコロナ禍前とは比較にならないが、店員の西澤摩耶さん(41)は「地元の人ほど土産物店には縁がないため、初めて店の中に入ったという人も多い。知ってもらう機会にもなり、うれしい」と喜ぶ。

 京都市観光協会によると、2019年には約654万人だった市内の主要ホテルの宿泊者数は、20年は253万人に激減。観光地の土産店は苦境に陥り、消失したインバウンド(訪日外国客)向けの店は特に厳しい。

 嵐山商店街の竹製品専門店「いしかわ竹乃店」(右京区)は店頭にあった外国人観光客向けのこけしなどを店の奥に移した。替わりに並べたのは、わっぱ型の弁当箱やかばん型の竹かごなど日用雑貨だ。

 「エコでおしゃれ」と、地元住民や若い日本人観光客が購入することもあるという。店主の石川恵介さん(51)は「今来てくれているお客さんのニーズに敏感に応えていかないといけない」と話す。