緊急事態宣言の再延長を受け、営業自粛期限としていた「5月31日」の表記を消す女性。再開できる日を心待ちにしている=5月28日午後4時45分、京都市中京区

緊急事態宣言の再延長を受け、営業自粛期限としていた「5月31日」の表記を消す女性。再開できる日を心待ちにしている=5月28日午後4時45分、京都市中京区

 新型コロナウイルス感染拡大の緊急事態宣言期間が6月20日まで延長されることが28日に決まり、京都の飲食業界からは「もう限界」「死活問題だ」などと不安や怒りの声が上がった。6月1日以降も引き続き酒類提供の自粛や営業時間の短縮を余儀なくされるため、経営者は疲労の色が濃く、今後の資金繰りや雇用維持に頭を抱えている。

 「ゴールのないマラソンを走らされているようなもの」

 京都市中京区の居酒屋の女将(54)は再延長のニュースにため息をついた。

 店主の夫(56)と2人で店を切り盛りしてきたが、京都府内で3度目となる緊急事態宣言が発令された4月25日以降は、週末だけテークアウト用の料理を販売する営業に切り替えた。再開に向け、取引先への配慮から店内営業を休んでいる間も酒類やおしぼりの仕入れを続けてきた。

 貯金を取り崩して家賃に充て、融資も受けているだけに、再延長にはショックを隠せない。2人は「店がいつまでもつか分からないと毎日考えている」と苦しい胸の内を明かす。

 京都市内で複数の店を構える飲食業者(中京区)は、緊急事態宣言後の収入減で毎月100万円を超える赤字を出している。コロナ禍の長期化を受け、制度融資で数千万円を借り、店と雇用を守り抜く覚悟だったが、3度目の宣言の期間が2カ月近くに及ぶことは想定外だった。経営者(45)は「収入がほとんどない状態ではどうしようもなく、我慢の限界を超えた。店はわが家同然で、生き残るためには(府の要請に反して)従来通り営業するしかないのではないか」とやり場のない怒りをぶつけた。