【資料写真】ファイザー製の新型コロナウイルスワクチン

【資料写真】ファイザー製の新型コロナウイルスワクチン

 過去に例のない規模で進められている新型コロナウルスのワクチン接種。自治体の中には、誰もが安心して接種を受けられるよう、副反応疑いに対応する協力医療機関を募って一般公開するケースもある。

 奈良県は3月、県内の医療機関に副反応疑いの外来診療が可能かどうかを尋ねる調査を実施。手を上げた病院・診療所計376カ所のリストを4月上旬に県のホームページなどで公開した。医療機関には事前に副反応疑いの対応を学ぶ研修会を実施し、医療マニュアルも配布。専門的な対応が必要な患者の受け皿として、県立医科大付属病院と県総合医療センターの2カ所を設定している。

 県疾病対策課は「国のモデルでは接種医に負担が偏り、多くの人が診療を望む場合に行き場を無くす事態が想定された。接種を円滑に進めるため、県全体で副反応に対応する医療機関を整え、県民に示す必要があった」と説明する。

 さらに今後本格化する集団接種では、接種医が誰かを被接種者が把握するのが難しいという課題もある。16会場で計約70人の医師が接種を担う予定の京都市は「医師も多数の人に接種するため、副反応疑いで受診するならかかり付け医が望ましい」とする。京都府内で接種医が分からず、かかり付け医もいない人は新規の医療機関を当たるしか方法が無く、もしそこで副反応疑いとして診察を敬遠された場合、医療にかかれない事態も想定される。

 京都府医師会感染症対策委員会で前委員長を務め、ワクチンに詳しい竹内小児科医院の竹内宏一医師は「国が接種を急ぎすぎるあまり、医療現場の体制が整っていない。予防接種法に基づき接種を進めるのであれば、国や行政には被接種者の安全・安心を保障し、自治体や接種方法によって差が出ないよう医療体制を整備する責任がある」と指摘する。