自衛隊が運営する新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターが開設から1週間たった。大阪会場の予約はきのうから、京都府、兵庫県の高齢者も対象に加わった。

 接種方法の選択肢が増え、遅れていた接種の加速につながり、歓迎できよう。

 市町村の個別、集団接種と並行しての実施に伴い、混乱やトラブルが起きる恐れがつきまとう。国や自治体には、丁寧な運営と分かりやすい情報提供が求められる。

 東京、大阪2会場での国の大規模接種は、予約システムに架空情報でも登録できるなどの問題点が見つかったが、接種作業そのものに大きな混乱は起きていない。作業への慣れを図るため開設当初は接種人数を抑えていたが、きのうからフル稼働になった。

 市町村の集団接種では、ワクチンを誤って廃棄したり、同じ人に複数回打ったりするミスも起きている。運営者は、安全かつ迅速に接種が進むよう、確認作業の徹底が不可欠だ。

 大阪会場で京都府からの予約分の接種は、7日に始まる。13日までの実施枠はすべて埋まった。希望者は、原則として2回とも大阪で受けることになっている。

 府は、無料送迎バスを府内6地域から運行する。緊急事態宣言の再延長で外出自粛が求められる中、人混みを避ける手段という。うまく活用してほしい。

 都道府県が独自に大規模接種会場を設置する動きも進んでいる。

 京都府は亀岡市と精華町の2カ所に15日に開設し、8日に予約の受け付けを始める予定だ。電話での申し込みにも応じる方針だが、混乱しないよう対策を十分講じてもらいたい。

 政府は今月中旬には1日当たり100万回の接種を実現できるとの見通しを示している。高齢者接種が進んでいる自治体は、基礎疾患のある人など64歳以下にも対象を順次広げる。

 接種をさらに加速させ、円滑に実施するには、不足が指摘されている「打ち手」の確保が欠かせない。今後は、平日は仕事に出ている会社員や、住民票を移していない単身赴任者や学生への対応も課題となる。

 全国知事会は、職場や大学でも接種を行える仕組み作りを国に求めている。民間企業では、ワクチン接種の休暇制度を導入する動きも広がっている。希望者が受けやすい接種の環境整備を、官民が協力して進めるべきだ。