粋の変遷
江戸~昭和の120点

《白木綿地麻葉模様浴衣》昭和時代 20世紀前半 東京家政大学博物館 =通期

 浴衣は、上流武家が入浴の際に身につけた麻の着物「ゆかたびら」(湯帷子)が語源とされる。江戸時代に入浴後のくつろぎ着となり、一般にも広がると、木綿が用いられるようになった。やがて、「型染め」や「絞り」などの染めの技法や多彩な図案が次々と生まれた。

三代歌川豊国(国貞)《四条河原夕涼之図》江戸時代 嘉永2(1849)年 個人蔵 =通期
岡田三郎助《五葉蔦》明治42(1909)年 泉屋博古館東京 =通期

 泉屋博古館(京都市左京区)で5日から始まる特別展「ゆかた 浴衣 YUKATA」は、江戸初期のものから昭和の人間国宝による作品まで、時代とともに変遷してきた浴衣を集めた。前後期で入れ替えて約120点を出展する。

《紺木綿地立浪文字模様浴衣》明治~大正時代 20世紀前半 個人蔵=前期
《紺木綿地団扇模様浴衣》大正~昭和時代 20世紀前半 東京都江戸博物館 =前期

 「江戸時代」「型染め」「絞り」「昭和」など、六つのテーマに分けて展示する。「型染め」では、藍染めによる青の濃淡で表現された美の世界を紹介。「昭和」ではバラや幾何学模様など、アールデコの影響を受けて生まれた斬新なデザインを取り上げる。

《白麻地紅葉筏模様浴衣》江戸時代 18世紀前半 個人蔵 =通期

 浴衣に欠かせない染色用の「伊勢型紙」も見どころの一つだ。三重県鈴鹿市の職人による繊細で洗練されたデザインと高度な伝統技術が浴衣を支えている。

《白紅梅織地朝顔麻葉模様浴衣》昭和時代 20世紀前半 東京都江戸東京博物館 =後期
豊原国周《東京三十六会席 日本橋都 仲吉》明治4(1871)年 個人蔵 =後期

 泉屋博古館東京(東京都)の学芸員森下愛子さんは「江戸期から男女とも、粋でおしゃれだったことが分かる。いまも多くの人に愛される浴衣の魅力を感じてほしい」と語る。



【会期】前期6月5日(土)~27日(日)、後期29日(火)~7月19日(月)月曜休館(7月19日は開館)
【開館時間】午前10時~午後5時(入館は閉館30分前まで)
【会場】泉屋博古館(京都市左京区鹿ケ谷下宮ノ前町)
【入館料】一般800円、高・大生600円。中学生以下と障害者手帳提示の人は無料
【問い合わせ】同館075(771)6411
【主催】泉屋博古館、朝日新聞社、京都新聞
【協力】東京文化財研究所、三重県立美術館、伊勢型紙技術保存会、松原伸生氏

関連イベント(要入館料、予約制、同館講堂)

◇学芸員による作品解説
7月10日(土)午後2時~ 

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、会期や内容等が変更になる可能性あり