新型コロナ感染対策をして昨年夏に開設された天橋立海水浴場(2020年8月14日、宮津市文珠)

新型コロナ感染対策をして昨年夏に開設された天橋立海水浴場(2020年8月14日、宮津市文珠)

 新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、今夏に海開きをするかどうか、京都府北部の海水浴場の対応が分かれている。運営に携わる高齢者や地域への感染防止を考えて2年続けて閉鎖する所もあれば、打撃を受ける観光需要の回復につなげたいと開設を決めた所もある。いずれも感染拡大は防ぎたいと、難しい決断を迫られている。

 舞鶴市にある3カ所の海水浴場のうち、竜宮浜海水浴場と神崎海水浴場は昨年に引き続き営業自粛の方針を決めた。駐車場やシャワー室は閉鎖する。竜宮浜を運営する地元区の一つ、三浜区の徳永隆区長(72)は「民宿などは非常に痛手となるが、変異株が猛威をふるう中、やむを得ない」と話す。神崎観光協会の竹内宏和会長(76)は、海水浴場が全て閉鎖される大阪府から利用者が殺到する恐れに触れ、「監視員など運営に携わる高齢者の安全が保証できず、行政からの支援金もない。海開きをしたい気持ちはやまやまだが」と複雑な思いを語った。


 伊根町でも泊と本庄浜の2カ所の開設を2年連続で中止する。高齢化率が50%近い同町では感染への不安が強い。泊区では例年、海水浴場の係員を住民が務めており、駐車料金の収受は接触が避けられない。「ここだけ開設して観光客が集中してはかなわない」。宮根佐太郎区長(65)は苦しい胸の内を漏らす。


 一方、宮津市は昨年同様、市内3カ所の海水浴場を7月22日から開設する予定だ。昨年は、舞鶴市や福井県など近隣の海水浴場が開設されず、国の「Go Toキャンペーン」もあって海水浴客は45万2千人と、コロナ禍にもかかわらず前年比24・6%減にとどまった。


 昨夏は宮津市内での感染者は増えなかったことから、市や天橋立観光協会などは4月、昨年定めた感染対策ガイドラインを徹底した上で、開設は可能だと判断した。コロナ禍で観光業が打撃を受ける同市にとって海水浴シーズンは大きな稼ぎ時。同観光協会は「宿泊客も増えるため、観光資源として重要」としている。


 京丹後市でも市内15カ所のうち14カ所で7月10日または同17日からの開設を予定している。市内の例年の海水浴客は約20万人で、昨年は前年比15・8%減だった。今月下旬にも海水浴場の開設者を集めて、市内や近隣市町での感染状況をみながら、開設時期について協議する予定。市は感染防止のガイドラインに基づいて海開きをする海水浴場に、対策費の一部を負担する。市担当者は「海水浴場は、冬場のカニと並ぶ観光資源の一つ。状況を見極め、開設に向けて慎重に対処したい」としている。