空き教室をアトリエとして活用する若手の芸術家たち(京都市下京区・下京渉成小)

空き教室をアトリエとして活用する若手の芸術家たち(京都市下京区・下京渉成小)

 京都市立芸術大(西京区)出身の若手芸術家らが、市内の2小学校の空き教室をアトリエとして創作活動に励んでいる。児童たちが身近に芸術に触れられる利点に加え、少子化による児童数減によって増える余剰教室の有効活用にもつながる「一石二鳥」の取り組みになっている。

 市内の芸術系大学や市立小中学校でつくる京都芸術教育コンソーシアムの場などを活用し、同大学美術学部教授の横田学さん(64)が協力を呼び掛けた。西京区の境谷小では2011年度、下京区の下京渉成小では15年度からそれぞれ間借りさせてもらっている。芸術家は賃料や光熱費を負担せずに済み、代わりに学校の事務を手伝うなどしている。

 若手芸術家にとっては、創作活動や作品の保管には広いスペースが必要で、共同アトリエや一軒家を借りるケースも多い。高額な賃料に頭を悩ませる人も少なくないという。

 下京渉成小では、油絵の杉本昌之さん(28)=左京区=と絵画の東根美沙紀さん(27)=同=が、約90平方メートルの3年の教室で作品作りに打ち込んでいる。教職員や児童が在校している平日の好きな時間に、持ち込んだ画材で思い思いに作業する。2人は「教室だから天井は高くて照明も明るい。創作にはうってつけの環境」と満足そうだ。

 児童たちは廊下の窓から作業の進み具合をのぞいたり、作品の感想を話したりするという。林道明校長は「子どもにとっても、志を持って頑張る芸術家の姿は刺激になる」とほほ笑む。

 各地の学校では、少子化で空き教室が目立ち始め、活用策が課題になりつつある。横田さんは「創作スペースが必要な芸術家と、学校の両者にニーズがある。児童と芸術家の校内での合同展示会の開催など、交流にもつながる」と話している。