「捨て猫禁止」のポスターを掲示するキャンプ場受付(東近江市黄和田町・黄和田キャンプ場)

「捨て猫禁止」のポスターを掲示するキャンプ場受付(東近江市黄和田町・黄和田キャンプ場)

 人気の高いキャンプ場が集まる滋賀県東近江市奥永源寺地区で周辺に捨てられた猫が野良猫化し、地元住民を悩ませている。キャンプ客の食べ残しなどを餌として地域にすみ着き、ごみを荒らすなど被害が出ている。繁殖期を迎え、キャンプ場や道の駅に猫を捨てないよう訴えるポスターを掲示し警告している。

 同地区最大の黄和田キャンプ場は週末、家族連れでにぎわう。近年のブームで、京阪神や東海地方からも大勢が訪れている。

 日中にバーベキューを楽しんだキャンプ客が寝静まる夜中、野良猫たちが食べ残しを狙いにくる。過疎化が進む集落の空き家などを3年ほど前からねぐらとし、キャンプ場だけでなく近くの道の駅「奥永源寺渓流の里」のごみ箱をあさる。住民の飼い猫の餌を横取りし、畑にふんをする被害も聞かれる。

 原因は猫をこっそり捨てにくる人たちだ。世話をしていた家族が亡くなるなど扱いに困って捨てるケースが多いという。一度に5、6匹を産むため、すぐに数が増えてしまう。
 近隣の松原オートキャンプ場の管理者は昨年、「河原で釣り客が3匹の赤ちゃん猫を見つけてきた」と話す。捨て猫はキャンプ客が増え始めた3年前ごろから、見られるようになったという。

 猫や犬の保護活動を行う県動物愛護推進員の藤井博次さん(53)は「キャンプ場は餌もあり、捨てるのにいい環境だと思うのでしょう」と分析する。現状では猫を捕獲して不妊手術を施し、頭数を増やさないようにするほかないという。

 被害は、県内のマイアミ浜オートキャンプ場(野洲市)や矢橋帰帆島公園(草津市)などのキャンプ場でも報告されている。「子どもにアレルギーがあるので猫をなんとかしてほしい」という苦情もあるという。黄和田キャンプ場や道の駅では「捨て猫は犯罪」とするポスターを掲示し、警告を発している。

 東近江市の池田美智子さん(65)は地域で見つけた捨て猫や野良猫に自費で手術を行い、昨年から7匹を保護した。藤井さんを通じて譲渡会に猫を預けるなど努力を続ける。「今はなんとか保護できているが、これ以上増えると面倒を見られなくなる」と危惧する。

 大津市動物愛護センターと県動物保護管理センター(湖南市)によれば、捨て猫などセンターに持ち込まれる猫は2018年度の666匹、19年度は795匹に増えている。この半数以上が殺処分となるという。担当者は「動物を捨てることは犯罪。軽々しく生き物を扱わないでほしい」と呼び掛ける。