空き家になっていた京都府八幡市橋本の遊郭建築2軒を政倉莉佳さん(56)が買い取り、旅館を始めた。欄間の細やかな彫刻や色鮮やかなガラスに引かれた。「今では造れない立派な建物を見てもらいたい」と、修繕費用をクラウドファンディングで募り、喫茶店を開く準備も進める。

 中国・瀋陽市出身。街には旧満州国時代に日本人が建てた住宅が残り、友人も住んでいた。コンクリートのアパートが多い中で木造の一軒家は珍しく、「畳に布団を敷く古い日本家屋に住んでみたい」と憧れた。

 33年前に来日。中華料理店や貿易会社勤務を経て、大阪府枚方市で漢方エステを営んでいた2019年3月、築80年以上の民家が橋本で売りに出ていると知った。タイルや欄干などのデザインを気に入ったが傷みは激しく、「修理して何とか守りたい」。自宅を売却した資金で買い取った。

 多くの狭い部屋に分かれた元貸座敷は「住みにくいが、旅館向きの間取り。国内外の……