男性の育児参加はより広がるのだろうか。

 改正育児・介護休業法が成立し、夫を対象に、子どもが生まれて8週間以内に4週分の休みを取得できる「出生時育児休業(男性版産休)」が新設された。

 夫婦が協力し、安心して子育てができるよう、新制度の利用に実効性を持たせる環境の整備が求められる。

 男性の育休は浸透していない。

 法では原則子どもが1歳になるまで取ることができるが、厚生労働省によると、取得率は7%強と、女性の83%とは大きな開きがある。増加傾向にあるとはいえ、政府目標30%にはほど遠い。

 期間も5日未満が4割弱、1カ月未満が8割と短い。

 別の民間調査では、取得が進まない理由に「職場で人手が不足していた」「取得しづらい雰囲気だった」などが上がっている。

 男性版産休は2回に分けて利用可能で、共働きの夫婦が交互に育児に専念することもできる。育児休業給付金に加え、社会保険料の免除で、最大で賃金の実質8割が保障される。

 出産直後に心身ともに不安定になりがちな妻を夫が支えやすくする役割が期待される。

 育休活用の充実に向け、改正法は企業の責務を強化した。事業者の取り組み姿勢が鍵となろう。

 従業員への育休取得の働き掛けを義務付け、子どもが生まれる場合には育休制度を説明し、取得するかどうかを確認することを求めた。取らないよう圧力をかけたり、育休を理由に解雇や左遷したりすることは禁止される。

 会社は制度をパンフレットで周知したり、上司が面談をしたりして、希望者が育休を取りやすい職場の雰囲気づくりにつなげてほしい。

 社員の育休期間中は、カバーする人のやりくりが課題となる。「働き方改革」と併せて、担当業務が属人化しないような仕組みの見直しも欠かせない。

 改正法は、2年後から大企業に育休取得率の公表を義務付ける。就職活動をする学生ら外部から評価される指標の一つともなろう。

 会社が育休取得の働き掛け義務化に違反した場合は、労働局が指導や勧告をし、社名が公表されることもある。

 ただ、中小企業の中には代替要員の確保に悩む会社も少なくないはずだ。新制度を定着させるためには、助成金など支援策拡充の検討も必要だ。