全国のエクモや人工呼吸器の稼働状況をまとめたサイト「エクモネット」の画面。都道府県別の数字などがリアルタイムで見られる

全国のエクモや人工呼吸器の稼働状況をまとめたサイト「エクモネット」の画面。都道府県別の数字などがリアルタイムで見られる

 新型コロナウイルスの感染拡大が繰り返される中、重症者の治療に使われる人工心肺装置「ECMO(エクモ)」や人工呼吸器の稼働状況がリアルタイムで分かるとして、医療関係者や研究者の間で注目を集めているインターネットサイトがある。変異株が猛威を振るう現在の「第4波」では若者でも重症化しやすい傾向についていち早く警鐘を鳴らすなど、感染対策にも貢献している。


 NPO法人「日本エクモネット」のサイト。京都府立医科大付属病院の橋本悟・集中治療部長(64)がデータ管理を統括している。


 掲載している情報は、エクモと人工呼吸器の都道府県別の稼働状況をはじめ、治療を受けた重症者に占める回復者・死者の割合、第1~3波における救命率の変化、重症者の年代別や肥満度別のデータなど多岐にわたる。全国約660の病院がデータ提供に協力しており、国内の集中治療室(ICU)の約8割をカバーしているという。

 

 エクモネットは昨年2月、エクモ管理の第一人者であるかわぐち心臓呼吸器病院(埼玉県川口市)の竹田晋浩理事長や京都府立医科大付属病院の橋本悟・集中治療部長らが中心となり立ち上げた。当時はまだ感染者数は少なかったが、「早晩、新型コロナウイルスの感染が拡大し、多くの病院でエクモや人工呼吸器を使うことになる」(橋本氏)と設立を決めた。

 背景には、2009年に流行した新型インフルエンザでの「反省」がある。当時も重い肺炎患者にエクモが使われたが、救命できたのは14症例中、35%程度の5例にとどまった。日本の医師の熟練度が低かったためで、橋本氏は「7~8割を救命できた欧米に比べて、日本の成績は惨憺(さんたん)たるものだった」と振り返る。