筧千佐子被告

筧千佐子被告

 京都府向日市や大阪府の高齢男性4人に青酸化合物を服用させたとされる連続殺人事件で、3件の殺人罪と1件の強盗殺人未遂罪に問われ、一審京都地裁、二審大阪高裁で死刑判決を受けた筧千佐子被告(74)の上告審弁論が8日に最高裁で開かれる。これまで弁護側は事件への関与を否定し、認知症による事件当時の責任能力や訴訟能力の有無を争ったが判決はいずれも筧被告に完全責任能力を認めた。上告審で弁護側は改めて無罪を主張し、認知症の影響について訴えるとみられる。

 結婚相談所で知り合った高齢男性と結婚や交際を繰り返して遺産を相続し、「後妻業」という言葉とともに注目を集めた事件。これまでの公判では、青酸化合物による毒殺か否かという被害者の死因や筧被告の犯人性、認知症の影響、供述の信用性などが主な争点となった。

 一、二審判決によると、2007年から13年にかけ、夫の筧勇夫さん=当時(75)、向日市=ら男性3人に青酸化合物を飲ませて殺害し、07年には4千万円の返済を免れる目的で神戸市の知人男性1人も青酸化合物で殺害しようとした。

 17年11月の一審京都地裁判決は「事件当時は認知症を発症しておらず、計画的で一貫した行動を取っており、完全責任能力や訴訟能力がある」と弁護側の訴えを退けた。19年5月の二審大阪高裁判決も一審の判断を支持した。

 上告審で弁護側は改めて無罪を主張し、重度の認知症によって訴訟能力が無いとして公判の停止や死刑制度の違憲性などを主張するとみられる。

 09年の裁判員制度開始以降、京都地裁で死刑判決が言い渡されたのは同事件が唯一。上告審では弁論が開かれずに判断が下される事件が多いが、二審が死刑の場合、弁論を開くのが通例になっている。