荘厳の浄土はるか

成道聖地拝陽(襖7面のうち部分) 2018年 真宗大谷派(東本願寺)蔵

 東本願寺御休息所(京都市下京区)に2019年、京都在住の日本画家畠中光享(こうきょう)さんの襖絵(ふすまえ)、掛け軸などが寄進された。これを記念して、大谷大学博物館(北区)で8日から始まる「釈尊への憧憬(どうけい)展」は、寄進作品を中心に仏教を題材とした畠中さんの屏風(びょうぶ)やパネル作品を展示する。一般公開されない御休息所の襖絵類を間近で鑑賞できる貴重な機会だ。

霊鷲山五山西方浄土観想 2018年 襖4面 真宗大谷派(東本願寺)蔵

 御休息所は東本願寺門首の控えの間。いくつかに分かれた空間を合わせると60畳ほどもあり、18年に建て替えられた。畠中さんの襖絵が入った様子は「荘厳な雰囲気。御休息所にふさわしい」と展覧会を担当する川端泰幸学芸員は話す。一般の人が立ち入る場所ではないため、襖絵を目にできるのは「最初で最後では」(川端さん)という。

蓮華図 2018年 襖2面 真宗大谷派(東本願寺)蔵

 同大学卒業生の畠中さんは、半世紀にわたってインドに通い、現地の美術を研究するとともに仏の教えを絵に表してきた。

マーヤ(部分) 2016年 パネル1面 個人蔵

 出展作には、釈迦(しゃか)がその下で生まれたとされる無憂樹、悟りの地ブッダガヤ、法華経などを説いたとされる霊鷲山など、釈迦の生涯や教えの舞台が描かれる。小さな火が無数に並んだ「一灯」は、ブッダガヤ境内に点じられたともしびの絵だ。小さな一灯を献上する人々の思いが集まって万灯になる様子を表す。

無憂樹に孔雀 2019年 襖2面 真宗大谷派(東本願寺)蔵
仏説霊鷲山 2021年 襖2面 勝願寺蔵
祇園精舎趾の奉献塔 2021年 襖2面 勝願寺蔵
一灯 2015年 4曲1双 個人蔵

 作品には畠中さんのメッセージを添え、制作意図を伝える。屏風類などを間近で見られるのも魅力だ。入館は事前予約が必要。会期中展示替えあり。

制作風景 2018年 東本願寺


【会期】6月8日(火)~7月31日(土)
 ※日曜・月曜休館。6月21日は開館。前期は7月3日まで、後期は7月6日から。
【開館時間】午前10時~午後5時。各時間帯で要事前予約。
【会場】大谷大学博物館(京都市北区小山上総町)
【観覧料】無料
【主催】大谷大学博物館、日本経済新聞社、京都新聞
【問い合わせ】075 (411) 8483
 ※事前予約は同館ホームページかファクス075 (411) 8146で。電話では受け付けない。