リニューアルに向けた工事が進む京都駅前地下街ポルタ東エリア(京都市下京区)

リニューアルに向けた工事が進む京都駅前地下街ポルタ東エリア(京都市下京区)

京都の銘菓などを扱う店舗に、新たに設けられた催事場。地元客の利用促進を目指した商品が販売されている(京都市下京区・京都駅ビル)

京都の銘菓などを扱う店舗に、新たに設けられた催事場。地元客の利用促進を目指した商品が販売されている(京都市下京区・京都駅ビル)

 新型コロナウイルス禍が長引く中、JR京都駅(京都市下京区)でJR西日本グループが経営している商業施設が地元志向に転換する動きを見せている。京都の玄関口として観光客に親しまれてきたが、販売の低迷が続いているため、地元客に軸足を置いた施設として再出発する。

 京都駅前地下街ポルタの東エリアで漬物や茶といった京都の土産物を扱ってきた13店舗が5月初旬から一斉に改装工事に入った。7月の新装オープン後は新設の調理場を生かしてできたての弁当などを提供するほか、自宅用で人気の生菓子を販売する。京都産にこだわらず品ぞろえを強化し、通勤客や近隣住民を取り込む計画だ。

 ポルタの2020年度の売り上げは85億7千万円で、19年度からほぼ半減した。京都市観光協会の調査では、20年の主要ホテルの宿泊者数が前年比6割減となるなど、新型コロナ禍で観光需要が実質的に消失した。ポルタも土産部門が前年度の3割にとどまるなど大きな影響を受けた。

 一方で、購入額に応じたポイント還元制度に登録している地元会員に限れば、物販・飲食・土産の売り上げが前年度比5~7割を確保していた。

 ポルタはこの点に着目した。観光客向けに内装を京都らしく再整備するとともに、飲食街は地元客が手軽にランチや酒類を楽しめるようにするためのテナント仕様に変える。土産を含む飲食物販は、観光客と地元客の割合が7対3だが、逆転を狙う。

 ポルタを運営する京都ステーションセンターの押川正大社長は「好調だった観光需要に頼り過ぎていた。大切にしないといけないのは地元客だと改めて感じる。『台所』として日常使いしてもらえるように販売戦略を変える」と意気込む。

 京都駅ビル内でショッピングセンター、ザ・キューブなどを展開する京都駅観光デパート(京都市南区)も同様に売り上げが落ち込んでおり、地元客の利用促進に本腰を入れる。駅ビル2階の「京名菓・名菜処 亰(みやこ)」に催事スペースを設け、通勤・通学客の購入を想定した生菓子などの販売を始めている。「おみやげ小路」を店舗名に掲げる直営の各店舗でも地元客向けの日用雑貨や飲食物の取り扱いを増やす。