2018年に制定された「政治分野の男女共同参画推進法」が、初めて改正された。

 世界でも極めて比率が低い女性議員を増やすのが主眼だ。

 改正法では女性の立候補を妨げている要因として、セクハラやマタニティーハラスメント(マタハラ)の防止策を国や自治体に求める条文を新設した。

 議会を欠席する要件として妊娠や育児を例示し、両立支援の環境整備も求めた。

 推進する主体として、政党や衆参両院に、都道府県や市区町村の議会を加えた。

 だが、環境整備は努力義務にとどまり、実効性は見通せない。秋までに行われる衆院選に向け、どう取り組むか、各政党の本気さが問われよう。

 同法は選挙の候補者数を「できる限り男女均等」にするよう政党に促したが、男女比率は改善していないのが実態だ。

 19年春の統一地方選の後、全国の地方議会の女性議員割合は14%となった。4年前より微増したが、2割にも満たない。女性議員が1人もいない議会は、全国1788議会のうち302に上った。

 同年の参院選では当選者に占める女性割合が約22%に後退した。

 内閣府の調査によると、女性地方議員の約57%が有権者や同僚からハラスメント被害を受けた経験があった。「性別による差別やセクハラ」を課題に挙げた人は約34%となった。いずれも男性の回答を大きく上回った。

 また、初当選時に子どもがいた女性議員は約8割で、このうち1割は未就学児がいた。

 女性議員の拡大には、ハラスメントの防止措置や、出産や子育てと両立できる環境づくりが欠かせない。

 一方、国政政党は衆院選で女性候補者の比率をどれだけ増やせるかが注目される。

 野党では、立憲民主党が3割、共産党が5割、国民民主党は35%を、それぞれ目標に掲げる。

 与党の自民、公明は数値目標は示していない。

 衆院小選挙区の大半は男性の現職で埋まっていることが多く、女性の新人が入り込む余地が少ないのが現状だ。比例で増やすなど工夫してほしい。

 女性議員を増やすためには、罰則のような強制力や、候補者の一定比率を女性にする「クオータ制」導入など、さらに具体策を検討する必要があるのではないか。

 掛け声ばかりでは実態を変えることはできない。